空腹で寝れないときはどうすればいい?睡眠前に『食べていいもの』は?
理想はスープです。
コンソメスープ→味噌汁→ポタージュの順番で胃腸への負担が重くなるので、コンソメスープがいいでしょう。
その他の様々な飲食物にもそれなりの効果があるものがあります。例えばチョコレートやココアのあのほろ苦さのもとである『テオブロミン』というファイトケミカルは、カフェインに似た成分なのに、カフェインのように覚醒作用がないため、就寝前にとっても問題ないということです。更に、自律神経を調節しますから、それによってリラックス効果を得ることができます。
また、寝る間際にどうしても何かを食べるときは、高脂肪かつ低糖質なものを選ぶとよいという意見もあります。糖質の多いものを寝る前に食べれば、血糖値は跳ね上がり、その後急激に下がり始めるので、眠気が吹き飛んでしまうのです。だから『夜食』を食べれば目が覚めるという認識が広まっているわけですね。
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ダイエットというのは多くの人が興味があるキーワードです。それは、多くの人が見た目を気にしてしまうからですね。そしてその理由は、『人が見た眼で判断する』というこの世の常識が蔓延しているからです。その圧倒的な力に支配される人間は、今日も明日も見た目を気にし続け、ダイエットやお洒落に勤しむわけです。
まずは精神的な話です。これは人間の欲望に触れる話ですから、それがとても重要になります。後できちんと理論や、『夜食べていい食事』等について説明しますから、飛ばしたい人は目次から飛んでください。中には軽い症状の人もいますから、そういう人は飛ばしてもらえればいいでしょう。ただ中には重度な依存症の人もいますからね。そういう人は精神的な話に触れることがとても有効です。
ダイエット等の、欲望が絡んでいて強い意志が必要になることは、ただ『これをすれば痩せる』と言われただけでは難しいものがあります。したがって、様々な方向からの色々な視点を取り入れ、『新たな自分』の発見の手助けをする。こういうことが、人が欲望を克服する際にとても有効なのです。
確かに私も以前は『空腹で眠れない』という状態を感じることがありましたが、今はたとえ空腹を感じても夜眠る前に何かを食べることはありません。それは、長い間トレーニングやダイエットをしてきて自分のカラダと向き合い、心身や栄養のことをよく学んできたからだと言えるでしょう。つまりその行為(夜寝る前に何かを食べる行為)は、逆に自分の体調の首を絞める行為に等しいのです。
ちなみに私は普段、揚げ物やスナック菓子を食べません。月に一度も食べません。チョコレートは運動前に少しだけかじるだけで、後のスイーツは、饅頭が家にあったとしても食べることはありません。お腹の脂肪が完全に取れたとは言いませんが、ほぼダイエットも成功しています。太っていたころの私を知る人が写真を見れば、みんな驚きます。ちなみに下記の動画『16:26』にある写真がその写真ですね。太っていたころは『15:15』にある写真です。
これで私が『元から食べなくてもいい人』ではないということがわかりましたね。私もかつては、松屋で牛丼を食べた直後に、てんやで天丼を食べるような生活を送っていました。飲み物はコーラや酒、時間があると焼肉やマクドナルド等、自分のうちから湧いてくる欲望をただひたすら満たすだけの生活を送っていた時期があるのです。
だから、その衝動に駆られるときの気持ちは当然よく理解しています。そのうえで話をしているのです。私ほど極端になると、病院で『このままだと脂肪肝になるよ』と言われましたから、行くところまで行ってしまったわけです。
イタリアの政治思想家、マキャベリは言いました。
私は極端がゆえに、堕ちるところまで堕ち、だからこそその対極がなんであるかを理解することができるようになったのです。つまり、『健康な人生とはなにか』ということについて、人一倍考えられるようになったということですね。
空腹のときに何かを食べようとする行為は、自己防衛です。
こんなにお腹が空いてかわいそうだよ!何か食べさせなきゃ!
というエゴであり、甘えであり、強欲です。世の中にはお腹が空いていてもろくにご飯を食べられない人が大勢います。私も以前、ベナンの国の子供たちの『昼食プロジェクト』というものに参加させていただきましたが、先進国の人が一万円さえ払えば、ベナンの小学生は学校で昼食を食べられるのです。それも一年間。
昼食は、おかゆのようなものです。栄養をなるべく多く入れたおかゆです。しかし、彼らはそれでも昼食を食べられるだけでありがたい。そういう環境をあなたはよく理解しているでしょうか。もししているなら、
こんなにお腹が空いてかわいそうだよ!何か食べさせなきゃ!
という衝動に駆られ、夜に何かを食べる行為に走るでしょうか。そういう時人は、
別に冷蔵庫やコンビニに何でもあるからな…
という発想を頭に浮かべます。しかし、その発想はとても『贅沢』なもので、自分が置かれている環境次第では、そういう発想にはなりません。
ソクラテスはこう言い、
チャップリンはこう言いました。
『満足』と『贅沢』は違います。きっとこの日本という先進国に住む多くの人は、『贅沢』な気持ちでもって、そういった衝動に駆られてしまうのではないでしょうか。かつての私と同じですね。
空腹なんてやだよ。メシがあるんだから、卵ご飯でもいいから食べるべきだぜ
というような考え方で、寝る前の暴食に走るのです。
『LION/ライオン ~25年目のただいま~』という映画があります。実話です。インドの小さな小さな村に住んでいたある家族の兄弟は、家にお金がないから小さいうちから働いていました。まだ小学生にもなっていないような、そういう年齢です。ある時、市場に『揚げ菓子』が売っているのを見て、弟は兄に要求しました。しかし結局兄弟は、『いつか揚げ菓子の店ごと買えばいいんだ』と慰め合い、稼いだわずかなお金を揚げ菓子に使うことはなく、家にいる母親に渡しました。
こんなにお腹が空いてかわいそうだよ!何か食べさせなきゃ!
さて、このような発想で夜食を暴食する行為が、『当たり前ではない』ということがわかってきたでしょうか。人間の欲望に触れるテーマですからね。こういう時は、まずこうした根本的なことから考えを改めなおすのがとても有効です。
私が夜の暴食をやめることができるようになったのも、こうした『真の知識』を得ることが大きな影響を与えています。そして同時に、冒頭で言ったように『経験』も影響しています。実は、夜に暴食しても、満たされるのは一時的なことであり、その後すぐに、暴食によって逆にお腹が張って眠れなくなったり、寝起きがわるくなったり、あるいは太ってしまうという副作用に苦しむことになるのです。
まるで『麻薬』か何かと同じですね。その行為が悪いことにつながっているのにやめられない。それを依存症と言います。麻薬をやればたしかに一時的に苦しみから解放され、快楽と多幸感に包まれるかもしれません。しかしそれは本当に一時的なことです。そのあとに体に負担がかかり、精神面にもダメージを与えるようになります。
人は生きているだけで、何かしらのストレスを感じるものです。
そしてそのストレスから解消されようと、ありとあらゆる手段を選びます。
そういう時は往々にしてこのような『発散メイン』の解消法が多いものです。その他にも、
等の、いい方向にストレスを使う解消法もありますが、そういう人は、エネルギーの使い方や、負のスパイラル、悪循環の圧倒的デメリットについて理解している賢明な人で、やはり多くの人は『発散メイン』の解消法に依存しています。
この『エネルギーの使い方』ですが、ナポレオン・ヒルは、著書『成功哲学』でこう言っています。
性衝動を他の創造的なエネルギーに転換する方法を知っている人は幸せです。ナポレオン・ヒル博士は、成功者の研究によって、次のことを明記しています。
- 偉大な成功を収めた人は、強い性欲の持ち主であった。なおかつ、その性衝動をうまく転換する技術を自らの経験で学んだ人でもある。
- 莫大な財産を築いた人や文学、産業、芸術、あるいは専門分野で名を成した人々は、何らかの形で女性の影響を受けた人々である。
人間には性欲、食欲、睡眠欲という圧倒的な本能があり、また、今考えたようにストレスから解放されて楽になりたいという、強い衝動に駆られるものです。しかしその時に、『それらの強い衝動』を、『正の方向』に向けて発散できる人と、そうじゃない人に分かれます。ナポレオン・ヒルは、歴史に名を遺す錚々たる偉人たちと向き合い続け、彼らを分析し、最後には大富豪になった人です。失敗する人、成功する人、様々な人間を観察し続け、成功のための黄金律、つまり『成功哲学』を世に伝えたんですね。
その彼が見ても、そういう衝動に『負け』て、支配されてしまった人は、結果を出せずに人生を終えてしまっているというのです。そしてそれはその通りですよね。世界にはそういう貧しい人もいるというのに、自分だけが満たす権利があると思い込むのは、『単なる馬鹿』です。無知であり、思い上がりであり、決して『知者』ではない。
この決定的な事実を直視するか、あるいは目を逸らして楽をするかは自分次第です。私はただ淡々と事実を述べるだけです。一つだけ言えることは、『人間には責任があり、真理には責任はない』ということです。つまり、人間は心理に『合わせる』宿命を負っているということですね。
ちなみに、今の真理の話に深く潜って考えたいという人がいるなら、以下の記事がとても参考になります。しかし、正直この記事を見ている人の中でこの記事を見る人はほぼいないでしょう。おそらく、『0.001%』程度の人しか以下のページには飛び、内容を理解する人はいませんね。(もちろん見なくても大丈夫です。見て理解すれば、よりこの話を自分のものにできるというだけです。)
人間とは、エネルギーの塊です。そして食事はそのエネルギーの補給であり、睡眠はエネルギーの充填です。エネルギーの塊の人間や動物にとって、食事や睡眠は極めて重要なものです。もちろん、そのエネルギーを生み出す性欲についても同じことが言えます。
人間の三大欲求のそれらには、すべてこのエネルギーが関係しています。そして、今話したナポレオン・ヒルの内容も、『生まれたエネルギーをどこにぶつけるか』という話です。そして、今回の『睡眠前の暴食』も同じです。睡眠前に、
空腹で寝られないよ!!
という強い衝動に駆られ、人はつい暴食してしまいます。ここで言う暴食とは、ドカ食いのような大量の食事に限らず、『食べる必要もないのに食べる食事』も含まれています。
ある犯罪者は、『そのエネルギーをいい方向に使っていれば、お前は偉大な結果を出せたかもしれない』と言われました。そうです。人間なんて、結局エネルギーの塊。そのエネルギーをどのように、何に使うかによって、人生が大きく変わるのです。
そういう時でも、ダイエットをしている時でも、食欲という強いエネルギーに駆られ、自分を見失ってしまいそうになることがあるかもしれません。タバコでも麻薬でも同じことです。彼ら乱用者は、やめたくてもやめられないのです。つい、手を伸ばしてそのうちから湧き出る衝動(エネルギー)の処理をしたい。そして暴走してしまうのです。このような人に、『麻薬(暴食)はだめですよ』とただ言うだけでその暴走を止めることはできるでしょうか。その暴走をする代償に、どれだけのものを失うかという『事実』を思い知ってもらわなければ、そういう人の精神的根本を変えることはできないのです。
私も今、自分の欲望すべてをコントロールできているわけではありません。時にはストレス解消のために暴飲暴食をすることもあります。ただ、動画で確認してもらった人はわかるように、それでもここまで努力しました。そして、そのような発散をしてもすぐに元に戻るし、あったとしても一年に一度あるかないかくらいのことです。
どうして私が『あの状況』からこの状況にまで成長できたかというと、冒頭に書いた『経験』もさることながら、一番有効だったのは、やはり精神的な問題だったと言えるでしょう。私は自分が、そのようにして沸き上がる欲望を常に満たすことが『自由人』のやれることだと勘違いしていました。私は家庭内に宗教問題があり、常に自由を求めていたため、自由人にとてもあこがれていたのです。しかし少年時代、自分なりの自由を求めた結果、道に行き詰まったり、あるいは脂肪肝直前になるまで肥えていった。
なぜ自由を求めて、逆に不自由になるんだ?
そういう葛藤が、自分の人生を根本から考え直す『内省』となり、そしてその内省の積み重ねで、『エネルギーの使い方を間違えている自分』を恥じるようになり、
もっと優れた人になろう。善悪を知り、真実が何かを知らない人間が、どうして自由人だと言えるだろうか
と思うようになり、次第に歩くべき道が見えるようになったいったのです。私は無宗教ですが、キリスト教の7つの大罪とは、
の7つであり、仏教の言う罪とは、
です。ソクラテスは、
を悪と見なし、孔子は、
を悪とみなしました。先ほどの性欲の話もさることながら、今回の食欲というテーマでこれを考えたとき、
『強欲に支配され、傲慢な心を抑止できず、利己に走って暴食する。この執着にまみれた行為は人として本当に正しいか?否、無知である。』
という事実が浮かんできますよね。つまり、夜に暴食すると太ります。そしてその延長線上には幾多もの病気や体調不良が待ち受けています。また、実際に寝つきや寝起きも悪くなります。そもそも、食べたいときに簡単にものを食べる発想は、先進国の人間だけが持つ贅沢な発想です。何から何まで、人として間違っている。そういう決定的な事実を知ることは、人に生きる道を教えてくれるのです。
さて、ここからは実際にその夜の食事が睡眠にどのような影響を与えるかについて考えていきましょう。症状が軽い人はここからでもいいですね。
『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』にはこうあります。
夜食は高脂肪かつ低糖質のものに
寝る間際にどうしても何かを食べるときは、高脂肪かつ低糖質なものを選ぶとよい。そうすれば、血糖値の変動を招かずにすむ。糖質の多いものを寝る前に食べれば、血糖値は跳ね上がる。その後急激に下がり始めるので、眠気が吹き飛んでしまう。だから『夜食』を食べれば目が覚めるという認識が広まっているのだ。(中略)ぐっすり眠りたいなら、寝る間際にものを食べるのはとても危険だ。コルチゾールが増えることを思えば、太りすぎの人はとくに気を付ける必要がある。ベッドに入るのは、食後から最低でも90分たってからにしよう。あける時間は長いほどいい。
これはダイエットの話にも通じるものがありますが、血糖値が上がりすぎると、今度は逆に下がりすぎてしまい、そこで人は『ドカ食い』をしてしまいます。だから太ってしまうんですね。スイーツなどのGI値の高い食事を食べれば血糖値が急激に上昇し、気分が一時的に高揚しますが、その後すぐに急激に下降し、渇望感を覚え、そこでドカ食いをし、悪循環に陥ってしまうわけです。
この血糖値の動きを理解している人は、先ほどあった『低糖質のもの』ということはすぐに理解できるでしょう。『高脂肪』というのはこの本ならではの見解で、『食べる脂肪や、脳や神経系、内分泌系を正常に動かすうえで欠かせない存在』だからということで、推奨されています。
しかし実際にこのような食事に注目すると誤解も生まれやすいので、あくまで一つの理論として覚えておくのがいいでしょう。 脂肪も、摂りすぎると肥満の原因になりますからね。私はこのあたりのことをよく理解していなかった時期、
という知人の言葉を過信し、アイスクリームを食べまくってしまった時期があります。その人は、月に20万円も払ってトレーナーを付けて体を鍛えている人だから信用したのですが、実際にはエンプティ・カロリーというのは、彼が言ったような、『食べても脂肪として蓄えられないカロリー』ではなく、
『栄養がまったくないカロリー』
の間違いで、つまり、アイスクリームを食べてもほとんど必要な栄養はとれず、しかもぶくぶく太っていくということで、むしろ食べてはいけなかったのです。ですから、一度『高脂肪』というのは忘れた方がいいかもしれませんね。きっと頭の中で正当化し、
じゃあ脂肪が多いものを食べていいんだ!
とか、そういう発想が生まれてしまいますからね。
それよりも、もっと具体的なことを教えてくれる専門家がいます。『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
- 寝るまで30分しかない場合
具の少ない透明なスープや油分の少ない汁ものなどを『腹6分目』を目安に飲む
- 寝るまで1時間以上ある場合
具のあるスープや味噌汁など、満足感のある汁物を『腹7分目』を目安に飲む。
いずれも胃腸への負担が少ないことが条件になります。コンソメスープ→味噌汁→ポタージュの順番で胃腸への負担が重くなっていきます。
この方が具体的で理想的ですね。寝ている間は体内のエネルギーを『消化』ではなく栄養の吸収にあてたいので、著者はこのような夜食を推奨しています。これは実際にダイエットをした私でも納得のいく夜食です。
私は以前、『ざるそばダイエット』をしました。ざるそばは脂質がほとんどなく、その量はおよそカツどんの50分の1。ですから、夜にざるそばだけを食べてごっそり痩せましたし、友人もそれを真似て痩せることに成功しました。(ただ、彼はトレーニングを同時にしていなかったので、リバウンドしました。)そんなこともあって、私の中でそばはかなりのダイエット食。ですから、胃腸に負担も少ないので、夜寝る前に食べても別に大丈夫だと思い、 以下のようなミニタイプのカップそばを食べて臨んだことがあります。
しかし、やはりそのせいで胃腸に負担がかかってしばらく眠れませんでしたね。大体感覚的に、いつもよりも30分~1時間くらいは胃もたれのような感覚が気になって眠れませんでした。きっと体が『消化』をするのにエネルギーを使ってしまって、睡眠モードに入れなかったのでしょう。そうしたこともあり、ここで挙げられている『スープ』なら、最初に挙げられた『血糖値の変動を招かない』低糖質食品にも該当しますし、スープの満腹感も得られます。夜食はスープが一番適していると言えるでしょう。
では飲み物はどうでしょうか。
またもちろん寝る前の飲みもので、『カフェイン』はNGです。詳しくは下記の記事に書きましたが、カフェインは寝つきだけではなく、睡眠の質にも悪影響を及ぼします。体にカフェインが残ったまま眠りにつくと、たとえ寝つけたとしても非常に浅い眠りしか得られないので、寝る前の飲み物として不適切です。その他にも記事には『寝る前に飲んではいけないもの』についてまとめていますので、併せてご確認ください。
では、寝る前は『水分』自体も摂ってはいけないのでしょうか。『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』には『水分を摂らないと血液がドロドロになる』として、こう記載しています。
入浴前後と就寝前には水分補給を
(省略)そもそも血液は、全身の細胞に必要な酸素や栄養分やさまざまな体内物質を届け、二酸化炭素や老廃物を回収するという生命活動の基幹物流システム。睡眠にとって大切な体温の変化も血液循環によって行われるし、メラトニンの大元となるトリプトファンを吸収し回収したりもしている。快適に眠るためにも血液は『ドロドロ』ではなく『サラサラ』であってほしいのだ。
上記の記事に書いたように、睡眠は、
これらの物質をなくしては語れません。
この、快眠に不可欠な『メラトニン』の元になる『トリプトファン』をうまく利用するためにも、血液の循環をよくすることは不可欠です。そして、水分を摂らないと血液はドロドロになりますから、睡眠前に水分を摂ることは重要なのです。そしてその内容ですが、『コップ1杯の水を飲む』のが理想的だと言えるでしょう。中には『白湯』や、『スポーツドリンク』等の意見もありますが、王道の答えとしてはそれです。とにかく、自分の体質や環境次第で、このあたりの飲み物を寝る前に1杯飲むことは、快眠のためにも欠かせません。
また、上記の記事で『睡眠前の入浴』について書きましたが、入浴前後にも水分補給は必要不可欠です。入浴では思っているよりも汗で水分が出ていきます。およそ『500~800ミリリットル』と言われていますから、ペットボトルの飲み物一本分に相当します。ですから、『コップ1杯』の水を、『入浴前後』に1回ずつ飲むくらいの水分補給はするべきですね。
失われる水分の量
睡眠中 | 約500ml |
---|---|
入浴 | 約500~800ml |
また、『しょうが湯』も快眠に効果的です。以下のような商品を買ってもいいですし、
以下の手順で自分で作ってもいいでしょう。
準備するもの
白湯も、しょうがも、体を温める効果がありますから、夜寝る前の飲み物としてうってつけです。
また、『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』には『寝る前にとりたい飲み物』として、
を挙げています。これならノンカフェインですから安心です。またホットミルクですが、本にはこうあります。
牛乳の主成分は、水分とたんぱく質。水分は眠る前の水分補給の助けになる。タンパク質ではカゼインがもっとも多く含まれ、これが消化分解されると、体によいとされるさまざまなペプチド(アミノ酸がつながったもの)ができる。そのひとつに『オピオイド・ペプチド』と呼ばれる鎮痛・鎮静作用の強いペプチドが含まれるのだ。オピオイド・ペプチドは、ランナーズハイでおなじみのβエンドルフィンと同類の、いわゆる『脳内モルヒネ』のこと。神経の興奮を鎮め、リラックス効果で快眠を促してくれる。
つまりこういうことですね。
ホットミルクにはこのような鎮静効果があるので、睡眠前にはちょうどいいですね。また、基本的に飲み物はホットである必要があります。やはり冷えたものを飲むと胃腸に負担がかかるし、体が冷えるのであまり推奨できません。
『「脳ストレス」に強くなる!セロトニン睡眠法』にはこうあります。
また、冬季うつ病などが多い北欧の白夜の国では、夜寝る前に温かいミルクを飲む習慣があります。これは普通のミルクとは違い、ナイトミルクと呼ばれるもので、夜のメラトニンが多く分泌する時間帯に搾乳しており催眠効果があるとされます。
北欧というのは太陽の関係で、セロトニンが出ず、うつ病が多い傾向にあります。ですからこのようにして『ナイトミルク』なるものを飲み、精神を落ち着かせる習慣があるようです。ちなみに海外では寝酒のことを『ナイトキャップ』と呼び、『ナイトキャップ』と呼ばれるカクテルもあります。
『眠る前5分間エクササイズで快眠生活』にはこうあります。
ナイトミルクを賢くとりいれる
(省略)夜、母乳が子牛にあげるお乳は昼間のものと少し成分が違っています。子牛がすんなり眠りに入れるようにメラトニンというホルモンが多く含まれているのです。(中略)ナイトミルクは、その夜間の牛乳に若干の加工を加えた飲み物です。大手スーパーマーケットの店頭やインターネットを通じた通信販売などを利用すれば、だれでもどこでも簡単に手に入れることができます。
例えば大塚製薬の『nemu』という、牛のマークのナイトミルクがありますが、そのようなものを飲んでもいいわけですね。ハーブティーにも同じように鎮静作用・リラックス効果がありますので、夜寝る前には適しています。下記の記事で色々なハーブティーを紹介していますので、併せてご確認ください。
日本人は牛乳でお腹を壊す『乳糖不耐症』の人が多い傾向があります。 実は私もそうです。そういう人はホットミルクではなく、ハーブティーを飲む方がいいでしょう。
また本では、
等も推奨しています。どれも胃腸に負担がなく、体を温めることができる傾向があります。バナナに関しては体を冷やしますが、飲みごたえもあり、また鎮静作用があるという点で推奨されています。
ちなみに私は単純に『水』を飲んでいます。真冬であまりにも寒いときは『白湯』ですね。この白湯は、どうも印象が古臭いものだったので毛嫌いしていたのですが、
の圧倒的な恩恵を知ってからは、率先して飲むようにしています。水というのは、『ダイヤモンドウォーター』とでも名付けるべきですね。人には欠かせない物質です。
ただ先ほど、
コンソメスープ→味噌汁→ポタージュの順番で胃腸への負担が重くなる
とあったように、ポタージュスープを飲むならコンソメスープの方がいいでしょう。
またこの『冷たい飲み物は体を冷やし、睡眠の妨げになる』という考え方ですが、実は下記の記事に書いたように、
『『深部体温』を下げ、『皮膚体温』を上げることで差を縮めることができ、眠気を強くすることができる』
という事実があります。詳しくは記事をご覧ください。
つまり、夜寝る前は、深部体温を下げる必要があるのです。それなら、体を冷やすようなものを飲食するのは、それに有効ですよね。実際、『スタンフォード式最高の睡眠』にはこうあります。
覚醒戦略10 『夜の冷やしトマト』で睡眠力アップ!
夜、ぐっすり眠るためには深部体温を下げる食品を夕食に取り入れるのも一案だ。身近なところでいえば『冷やしトマト』。体を冷やす性質があるトマトをさらに冷やして食べれば体温は下がる。(中略)また、南国では体温を下げるために『きゅうりジュース』なるものを飲んでいるそうだが、まだ私は試したことがない。
少し意見が食い違っていますね。睡眠前は『体を冷やした方がいい』のか、『冷やさない方がいい』のか、意見が乱立しています。しかしこの本では結局、『冷やしトマトを食べたら絶対眠れるわけではない』と言っていて、入浴の方が効果的だと言っています。そう考えると、
のような体を冷やすものを優先して考えるよりは、深部体温を下げるのは『入浴』にして、夜食はやはりスープが一番いいでしょう。
また、その他にもいくつか睡眠に効く食事をピックアップしてみましょう。
チョコレートを睡眠前に食べることで快眠できるという話もあります。確かに、下記の記事にもまとめましたが、
チョコレートを食べることで得られるメリットは多くあります。例えば、『科学でわかった正しい健康法』にはこうあります。
毎日食べれた血液サラサラ!-チョコレート
チョコレートは身体に悪い食べ物という印象を持たれているが、じつは健康に良い側面をもつ食べ物の筆頭だ。(中略)▼心臓病に罹患するリスクを減らす場合がある。心臓血管系の動きを活発にし、血液の流れを改善する。2014年、学術誌『心臓血管系』に掲載された論文によれば、日々の食事にダークチョコレートひとかけを足すと、血液の流れが14~23%改善される。
また『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
- ポリフェノール
植物の色素や苦み、渋みなどの成分。紫外線や外的などから身を守るため植物自ら生成したもので、強い抗酸化力があります。
- カカオマスポリフェノール
チョコレートやココアに含まれる成分で、抗酸化作用があります。虫歯予防、ピロリ菌や病原性大腸菌の増殖の抑制、ストレス緩和効果も。
チョコレートで、
ということで、メリットは多く見受けられます。また、『これは効く! 食べて治す 最新栄養成分事典』にはこうあります。
集中力が高まるココアの成分 テオブロミン
チョコレートやココアのほろ苦さのもとです。カフェインに似た成分ですが、テオブロミンの作用はおだやかで、就寝前にとっても睡眠が妨げられることはありません。自律神経を調節する作用があり、リラックス効果だいです。持続性も高く、血圧を安定させる働きもあります。また、集中力を高めて、学習能力をアップさせます。
チョコレートやココアのあのほろ苦さのもとである『テオブロミン』というファイトケミカルは、カフェインに似た成分なのに、カフェインのように覚醒作用がないため、就寝前にとっても問題ないということです。更に、自律神経を調節しますから、それによってリラックス効果を得ることもできるようです。もちろん食べすぎはよくありませんし、プラークコントロールを怠るならいくらポリフェノールに虫歯予防効果があるとはいえ、リスクが大きくなります。適量を食べ、そのあとにしっかりとプラークコントロールをするのであれば、就寝前に食べてもいいかもしれません。
また『はちみつ』ですが、下記の動画でははちみつの栄養素がいかに優秀かということについて説明しています。
はちみつを摂れば以下のような効果を得られると言います。
快眠が得られるとありますね。その言い分はこうです。
たしかに、このインスリンと睡眠については下記の記事にも書きましたが、もしこれが本当ならはちみつも快眠に効果があると言えるでしょう。しかしこの動画サイトはネット上の情報を集めただけという説があるため、断言はできません。それに、『糖分がインスリン値を上げてセロトニンを出す』なら、
といったあらゆる『炭水化物(糖質)』や『糖分の入ったもの』を食べてもおなじことですからね。はちみつだけがピックアップされる理由が明確ではないところが引っかかるところです。
まあ、チョコレートがいいなら『多少のはちみつ』も問題ないでしょうけどね。麻薬、タバコ、カフェインなんかを摂取するよりもはるかに体にいいということは断言できます。
ただ、『お酒や薬に頼らない「必ず眠れる」技術』にはこうあります。
スイーツと冷えが不眠をまねく
スイーツ、つまり、甘いものの食べすぎは不眠をもたらします。特に、寝る前のスイーツがよくありません。ケーキなど、甘いものを食べると、血液中の血糖値が急激に上昇します。血糖値の上昇は体に負担となるので、これを下げようとして膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは大変重要なホルモンで、この機能が障害されたのが糖尿病です。インスリンが分泌され、血糖値が下がる方向に向かうと、今度は下がりすぎに備えて、糖を新たに作る作用のあるアドレナリンというホルモンの分泌が刺激されます。下がりすぎて、もし低血糖になると、意識障害が起きて命に係わることになりかねないからです。
つまりこういうことですね。
このようなことを考えると、はちみつで『血液中のインスリン値を上げる』ことは、セロトニンだけじゃなく『アドレナリン』も出す可能性があり、逆に覚醒してしまうデメリットもありそうですね。また、夜にスイーツを食べる習慣ができてしまうと、以下のようなデメリットもあるようです。
やはり、甘い蜜には毒があるということで、チョコレートに関しても、はちみつにしても、『つい食べすぎてしまう魅力』があるこれらのスイーツは、よほど意志が強い人でない限り、手を出さない方が無難かもしれません。
ただ、『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
砂糖、はちみつ
(省略)ハチミツは砂糖と比較して、カロリーは低めで糖度が高く、砂糖の半量程度で同じ甘味を感じられます。微量ながらミネラルの含有バランスもよく、また、果糖の割合が多いため、砂糖よりも血糖値を上げにくいという特徴もあります。
ハチミツは『砂糖よりも血糖値を上げにくい』とありますね。ですから、砂糖をふんだんに使ったスイーツらと比べれば、確かに魅力的かもしれません。例えば、先ほど『生姜湯』が挙げられていましたが、下記の動画をご覧ください。
この生姜湯は、はちみつが使われていますよね。このように、生姜湯としてはちみつを摂れば、その量も抑えられ、かつ生姜湯の効果との相乗効果で、体を温め、リラックスもでき、セロトニンも出せるという効果を期待できるかもしれません。
また、『色の野菜の栄養事典』にはこうあります。
セロリー 香り成分がイライラを鎮め、自律神経を整える
アピイン
- 精神安定
- 不眠症予防
- 高血圧改善
イライラを抑える精神安定の作用が期待できる。自律神経に働きかけるため、高血圧の改善にも役立つ。
セロリにも、チョコレートと同じように自律神経に作用する効果を期待できます。それによって精神安定と、不眠症の予防効果を得ることができることから、夜にセロリを食べることは効果が期待できそうです。単純なセロリのスープでもいいですし、以下のようなレシピでもいいですね。意外とカロリーも摂れるし、かつヘルシーなので、空腹を満たすにはうってつけです。
また、これは直接食べるのではなく、『食材を使う』という考え方なのですが、『脳が突然冴えだす「瞬間」仮眠』にはこうあります。
玉ねぎとコーヒーの香りは眠りを誘う
①玉ねぎのにおいが少しする程度にする
玉ねぎやニラ、ニンニク、ラッキョウなどの独特な刺激臭や辛みの素とは、『硫化アリル』という物質です。硫化アリルには、気持ちを落ち着かせて眠りを誘う効果があります。西洋の民間療法の一つに、玉ねぎのにおいで寝つきをよくするというものがあります。私が協力したテレビ番組の実験では、いつもは昼寝をしない幼稚園児に玉ねぎのにおいをかがせて、眠るかどうかをしらべました。
すると、いつもは昼寝をしないのにも関わらず、ほとんどの子供が自然と昼寝をしたといいます。幼稚園の先生たちもとても驚いたそうです。
ニオイがするかしないかぐらいの少量の玉ねぎを寝室に置いておくというのは、効果があるようですね。また、同じようにコーヒーの香りを嗅ぐことでも眠気を誘うことができるようです。
この際、
が寝る前に向いているコーヒーの種類です。
になると、逆にそのアルファ波を減らし、緊張感を高めるため、朝に嗅ぐ(飲む)コーヒーとしておすすめです。飲んでしまうとカフェインの覚醒作用を食らってしまうコーヒーも、『嗅ぐ』だけなら逆にリラックス効果で睡眠を誘えるということですね。
またこれは『睡眠前』ではありませんが、『朝』に『味噌汁』を飲むことも、夜の睡眠のために有効だという話があります。『病気を治したければ「睡眠」を変えなさい』にはこうあります。
朝は味噌汁を飲め!
(省略)不眠に悩む人にまず注目してほしい栄養素といえば、食品のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の一種『トリプトファン』です。トリプトファンは人体内では作り出すことができないため、必ず食事で摂取すべき栄養素です。(省略)ただトリプトファンからセロトニンとメラトニンを合成するには、卵、バナナ、サツマイモなどに多く含まれる『ビタミンB6』、豚肉などに多い『ナイアシン』、ごぼう、あずき、そば、ホウレンソウ、ネギ、小麦胚芽などに多い『マグネシウム』を同時に摂取することも欠かせません。朝は、豆腐とねぎの味噌汁に卵を落として睡眠に必須の栄養素を補給!この習慣で、睡眠の質を高めていきましょう!
上記の記事に書いたように、睡眠は、
これらの物質をなくしては語れません。
トリプトファンについての詳しいことは記事に書いたのですが、味噌汁というのは、まずそれ自体が大豆製品であり、トリプトファンが含まれています。また、具を入れられる特徴から、豆腐やネギ等を入れて、トリプトファンを最大限に発揮するための、マグネシウムやナイアシンも同時に摂ることができるメリットがあります。
別に、味噌汁に卵を落とす必要はなく、目玉焼き等でもいいですね。日本人が兼ねてから愛する和の朝食には、自然と人間が健康になるための栄養素が盛り込まれています。これが、日本食が世界から注目される理由の一つですね。ある海外では、呼び込みのスタッフが、
と言う光景がありましたが、特にその和食を『食べ続けた』日本人にとっては、味噌汁は欠かせない健康食品なのです。この意味深な言い回しについて更に深く知りたい人は、下記の記事をご覧ください。これはとても奥が深い話なのです。
さて、前半の精神的な部分でも『人として正しい生き方』をすれば、このような衝動に駆られることもなくなってくると説明しました。それが具体的にどのような意味を持つかといういくつかのデータを見てみましょう。
『スタンフォード式最高の睡眠』にはこうあります。
覚醒戦略9 『夕食抜き生活』が眠りに響く
覚醒物質『オレキシン』は、脳の視床下部と呼ばれるところの細胞から放出される。絶食するとオレキシンの分泌が促進されるが、食事をすればオレキシンの活動は低下し、覚醒度も落ち着くことがわかっている。(中略)オレキシンは食欲を左右すると同時に、もちろん覚醒にも強い影響を与える。夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに、覚醒して眠れなくなる可能性が高いのだ。
つまりこういうことですね。
『無理なダイエット』に関する記事はいくつか書いていますが、やはり夕食を食べないという行為は、どこか人として無理をしている印象があります。
食事を三食摂るかどうかということは常に議論があるのですが、例えばこのように覚醒物質『オレキシン』が分泌されるということは、やはり体が『不自然』だと感じたということだと解釈ができます。ですから、もし無理なダイエットをしていて、夕食を食べないということがあった場合、オレキシンの影響で夜に暴食したくなるか、あるいは覚醒してしまって眠れなくなる状態になりやすいので、注意が必要です。
また、睡眠不足があると『グレリン』というホルモンが増えると同時に、食欲を抑えるホルモンの『レプチン』というホルモンが減少します。
各ホルモンの概要
グレリン | 食欲を増進する |
---|---|
レプチン | 食欲を抑える |
つまりこういうことです。
つまり、元々睡眠不足という状態がある場合でも、この2つのホルモンの乱れによって、暴食に走りがちになります。
ということで、やはり『人として正しい生き方』を意識していれば、夜に暴食するという行為にはなかなかなりづらいんですね。精神的な話だけじゃなく、実際にこのようなホルモンの動きも関係していたというわけです。
更に言うと、下記の記事に『日本人と腸内細菌』について詳しく書きましたが、日本は戦後、欧米食を食べるようになりました。しかし、日本人の腸はあくまでも『和食』に慣れ親しんでいて、欧米食を食べることで様々なデメリットを生んでしまいます。
『人として正しい生き方』の中にはもしかしたら、『肉を食べない』ということも含まれているかもしれません。実際には肉を食べるべきだという意見も多いのですが、しかし、食事と人というのはとても奥が深いテーマなんですね。ただ、スープを飲むことくらいだったら、そのような問題を全く気にせずに済みます。まずは生活習慣を正しいものにし、食生活を整える。そして睡眠不足等もないようにし、それではじめて夜にお腹が空くのなら、スープを飲むのがいいでしょう。
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