人は一人と二人、どちらが良質な睡眠を得られるの?
性別によって違うかもしれません。
男性は女性を守れなければいけない立場なので、二人だとよく眠れないと専門家は言います。しかし女性の場合は守ってもらう側なので、むしろ二人だと安心して眠れると言います。また、二人の性格や体質の差異があることを考えても、基本的には一人で寝た方が無意識の部分もリラックスでき、ぐっすり眠れるかもしれません。
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二人でベッドに入ると眠れないと考えている人が意外と大勢います。私もそうで、女性と寝るときであってもやはり一人で寝るときと比べると気楽には寝られません。正直、睡眠は人間のエネルギー重点の大事な役割ですから、その睡眠の質が低下するなら一人で眠りたいと常々考えていました。そんな時、たまたまテレビで観ていたら芸人の土田晃之さんが、あれだけの大家族で家族思いなのに、寝室はいまだに夫婦別々にしているという話を聞き、少し安心したのを覚えています。
そういう人生もあるよなあ…
と考えたものです。しかも彼曰く、そっちの方がいつまでも新鮮でいられるというのですが、私はその気持ちもよくわかります。結婚をした後は夫婦の関係も徐々に『家族化』していきますからね。そのような考え方はとてもいいと共感しました。
例えば私の場合、生理現象をパートナーに『聞かせたくない』ですからね。げっぷやおなら等です。ニオイもそうですね。また、パートナーのそれもあまり聞きたくはありません。もちろんそれについては色々な意見がありますし、それすらも受け入れるべきだとは思うのですが、常に男と女の関係を保ち続けるために、寝室を別々にするというのも私は有効な手段だと考えます。
ただ、またある時たまたまテレビを観ていたのですが、『ホンマでっか!TV』で疲労専門家が『男は一人で寝て、女は二人で寝たいと思う』というような内容を話していました。
話によると、男は女を守れなければいけない立場なので、二人だとよく眠れないというのです。そしてその意見も私にはよくわかりました。私が眠れない理由は、パートナーにとにかく気を使うことであり、そのうちの一つはいざという時に守るためですからね。
その専門家が書いた本、『なぜあなたの疲れはとれないのか』にはこうあります。
『一人で寝る』『誰かと寝る』良い睡眠ができるのはどっち?
(省略)その気持ちもわからないではありませんが、『疲れ』がとれるいい睡眠を演出するためには、明らかに一緒に寝ないことが正解です。なぜかというと、お互い生身の人間ですから、生まれや育ち、性格、考え方が違うだけでなく、体質や健康状態にも差があります。そんなわけですから、一緒に寝れば大なり小なり意識せずともお互いに何らかの影響を与えあうわけです。
例えば、女性が寒がって、男性が暑がった場合、そのどちらの体質に環境を合わせればいいのかという問題が出てきます。実際、快眠に必要なそれぞれの環境は大体決まっています。
という状況を意識する必要があります。部屋の室温、寝床内環境に関しては下記の記事に詳しく書きましたので、併せてご確認ください。
しかし、これを守れず、パートナーがクーラーをかけすぎたり、暖房をつけすぎたりすることがありえますよね。例えば太っている人は、『冬でもTシャツが常識だ』と言いますが、もしパートナーが痩せている女性であれば、一緒にいるだけで過酷な環境を強いられることになり、快眠の妨げになります。
また、例えば私はハウスダストアレルギーであり、エアコン類をつけるとくしゃみが止まらなくなります。ストーブもだめです。ですから、私のような人間と一緒にいると、そのアレルギーに気を使って同じような対策をしなければならず、ストレスだと感じる人もいるでしょう。ストレスがあると人は眠れませんからね。
またその人がどこに住んでいたのかということも関係してきますよね。北海道と沖縄の人では、明らかに体感温度が違います。そもそも男性と女性では快適に感じる温度に違いがあり、男性は低め、女性は高めの温度を好む傾向があります。これは性別による筋肉量の違いなので、まずはそういう体質的な問題の差異が存在する以上、その二人ともが快適に眠れる環境を作れるかどうかが怪しいということなのです。
またこの本にはありませんが、著者はテレビで、『男は守らなければいけないから二人だとストレスがかかる。女は守ってもらうから二人だと快眠できる』と言っていました。そういう意味では、女性よりも男性の方が二人で寝ることに負担を覚えるかもしれませんね。私も男としてその気持ちがよくわかります。ですから、一時的なことであればいいのですが、毎日続けるとなると考えものだということです。逆に、無意識の部分にでも、
守ってあげたい
と思っていることを前向きにとらえるべきで、むしろそのうち慣れてしまって二人でもぐっすり寝られるなら、
守らなくてもいいや
と思っていることにもなりかねませんからね。どちらがいいかということは女性が判断するしかないでしょう。また、もちろん二人で考えることでもあります。
対策として本が挙げているのは、
ということで、やはり『寝室を別々にする』ことが一番有効であるとありますね。実際に疲労専門家から考えても、これがストレスなく二人が快眠できる手段なのです。2位以下も最低限、効果がありますが、例えば寝室を別々にすれば先ほど考えたような環境の問題は、すべて解決しますからね。また、私が考えた『生理現象』の問題もクリアできます。
私の知人夫婦は、結婚したてですでに夫の『大きないびき』の問題について悩んでいましたが、そのような生理現象も、積もり積もればいずれは嫁のストレスにつながるかもしれません。ですから、寝室を別々にするのはメリットがたくさんあると言えますね。また、『肥満外来の女医が教える熟睡して痩せる「3・3・7」睡眠ダイエット』にはこうあります。
寝室は睡眠とセックスのときしか使わない
『疲れているはずなのに、夜、なかなか寝付けない』『布団に入ってから眠るまでに時間がかかる』というような、いわゆる『眠れない』悩みを抱えている人もいます。その場合も、寝室の環境を見直すことで速やかに眠ることができるケースもあります。(中略)眠れないという悩みを持ち、寝室に行くことがプレッシャーになっている場合、『寝室はなかなか眠れずに苦しむ場所』と脳にインプットされ、マイナスの条件反射が出来上がってしまっている可能性もあります。(中略)『3・3・7睡眠法』では、そうした眠れないプレッシャーや負担が必要異常にかかってしまっている人には『寝室は寝ることとセックスをするだけの場所』と考えるように提案しています。
そのように二人でいると眠れない状況が続くと、寝室に対して嫌なイメージがついてしまい、それが無意識の部分で快眠の妨げになります。睡眠には何一つストレスなく臨みたいのです。そのためには、二人が間違いなくストレスを感じないということがわかった上で、二人で寝るようにするのがいいでしょう。ただ、中には『二人じゃないと寝られない』とか、『二人の方が眠れる』とお互いが思っているケースもあるでしょう。そういう場合はそれでもかまいません。しかし、それでも専門家が言う『男性は無意識にでも疲れる』ものだということは忘れないようにしましょう。
また、眠る状況を作ることを『入眠儀式』、あるいは『就眠儀式』とも言いますが、『いつも誰かと寝ていた』という人は、人がいること自体が入眠儀式になっている場合もあります。『疲れが確実にとれる「眠り方」のコツ』にはこうあります。
自分だけの就眠儀式を作ろう
(省略)『歯磨きだけはしないと絶対に寝つけない!』と言い張る人もいるし、必ず歯磨きが先でトイレが後、と順番にこだわる人がいたりもする。(中略)このような習慣化された就寝前の行動パターンを『就眠儀式』という。就眠儀式は、もともと育児の分野で使われる心理学用語。子供は寝るときにおしゃぶりをくわえるとか、お気に入りのぬいぐるみを抱っこするとか、絵本を読んでもらうとか、一定の就眠儀式をもっている。
まさに、『お気に入りのぬいぐるみを抱っこする』と出てきましたね。これと同じ考え方で、人がいること自体がある種の入眠儀式である場合は、この限りではないと言えます。そういう人の場合は一人よりも二人の方が眠れるかもしれませんね。
人間であり、家族であっても、見たくないものは見たくありませんよね。例えば、排泄です。最後にはその世話もすることになるかもしれませんが、やはり親しき中にも礼儀あり。食事中にある種の配慮をしているのであれば、それはやっぱり、相手に『不快な思いをさせない』ように、生理現象的なものを抑えているということ。
中には食事中に堂々とゲップしたりして、『いやね』などと笑って済ませられる家庭もあると思いますが、それでも排泄などのシーンは別でしょう。だとしたら、見たくないものは見たくないし、見せたくないものは見せたくないのであり、無意識の部分でもやはり相手に気を使っているということになります。せめて睡眠の間だけは、お互いが気を使わず、一人の人間に戻り、エネルギーをしっかり充てんできるように、快眠できるよう環境を最適化してはいかがでしょうか。