ソクラテス『不正なやり方で人を殺す連中と、不正なやり方で殺される人、どちらが惨めだろうか。』

古代ギリシャ哲学者 ソクラテス画像

内省

確かに、人生は長いように感じる。明日も明後日も毎日は続き、環境によってはそれが重荷と感じることもある。仕事、失敗、ミス、誤魔化し、隠蔽、捏造、先延ばし。毎日毎日そういうろくでもない生活を続けて、誤魔化し、それを癒す快楽を求め、日々を刹那的に、幸せを射幸的に、ダラダラと過ごす人からすれば、人生は長く感じるだろう。だからそういう人はこう考えてしまう。

 

(結局世の中、勝ち組負け組に分かれるんだよ)

 

 

と。

 

自分が『負け組』だと卑下し、悲劇のヒーロー・ヒロインを演じるのだ。それも、ダラダラとした日々を送る、一つの大きな要因である。そういう人はソクラテスのこの問いかけに対し、どう答えるだろうか。

 

不正なやり方で人を殺す連中が惨めだと言うのであれば、なぜ悲劇のヒーロー・ヒロインを演じて毎日を無駄に過ごしているのだ。不正なやり方で殺される人が惨めだと思うのであれば、なぜ悲劇のヒーロー・ヒロインを演じて毎日を無駄に過ごしているのだ。どちらにせよ、なぜ悲劇のヒーロー・ヒロインを演じて毎日を無駄に過ごしているのだ。

 

前者は『勝ち組ヅラをしている人間』に対して惨めだと言う。しかし、だとしたら『負け組ヅラをしている自分』に対し、なぜ悲劇のヒーロー・ヒロインを演じているのだ。後者は『結局勝ち組が笑う世の中なのだ』と考えていて『負け組』を惨めだと言う。 しかしだとしたら、なぜ悲劇のヒーロー・ヒロインを演じて毎日を無駄に過ごしているのだ。

 

勝ち組が惨めだと思うなら、今の自分を誇りに思うはずだ。負け組が惨めだと思うなら、今の自分を打破する努力をするはずだ。ソクラテスは『不正なやり方で人を殺す連中』の方を惨めだと言った。私がこの時代で同じことを言うならば、そもそも人に『勝ち負け』をつけ、悲劇のヒーロー・ヒロインを気取って何もしない人間が、一番愚かだと断言する。

 

ソクラテスの時代も、戦争が当たり前の時代だった。男は首を切り落とされ、女子供は強姦されて殺され、食料は奪われ、あたりは火の海になった。この時代を生きていて悲劇のヒーロー・ヒロインを気取って何もしないことが、どんなに惨めか、少し考えればわかることだ。

 

 

注意

※これらの言葉は参考文献『これならわかるソクラテスの言葉』や史実に基づき、自らの生きる糧、自らを戒めるため、内省の為に日々書き留めたものです。史実を正確に把握したい方は正当な書物をご覧ください。

関連する『黄金律

『人間が戦うべき相手は外にはいない。「内」にいるのだ。』

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