意味
人間が完成することは永久にない。『完成』というのは、全知全能の神になるということだ。全知全能というのは、この世の全てを支配できる能力を持っているということだ。そうなると当然、下記の図のように、
ウロボロスの図(画像)
この様な『全ての規模』においてその力が十二分に通用しなければならず、これはいくら『人間が想像したことは、必ず実現できる』という言葉を言い放ったところで、どうにかなる問題ではないのだ。従って、永久に完成することなどない。どんなに突き詰めても人間はこの有限の一生の間では達成できることは矮小なのである。
だが、それは『全知全能の神から見て』の意見だ。『いずれ散りゆく儚い命』の目線から見れば、
『人生は儚い。だが、だからといってそれがくよくよと下を向いて生きていく理由にはならない。儚いからこそ尊いのだ。』
ということになるのだ。
宮沢賢治は言った。
『アウラ』だ。それは、『儚いからこそ尊い』という価値を指し示す言葉だ。我々命は、『儚いからこそ尊い価値を持つ』のだ。だとしたら、これで完成している。永久に未完成で、いずれ散りゆく儚い運命にあるからこそ、完成しているのだ。
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