男性ホルモンはワキガ臭に関係している?ワキガはフェロモン?
男性ホルモンが強いとワキガになる…とハッキリ主張する専門家はいませんが、『性ホルモンはワキガ臭と何らかの関係がある』という見解は根強いものとなっています。
また、ワキガがフェロモンかどうかについてですが、かつてはそうだった時代があると考えられています。しかし例えば、現代の日本においてはワキガ臭は『異臭』と捉えられることが多いと言えます。
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男性ホルモンが強いとワキガになる…と主張する専門書は私の家にはありません。私の家にはたくさんの本があり、
等々、実にたくさんの専門家が書いた参考書が『各10冊ずつ』は最低あるのですが、その中のどれを見直しても、『男性ホルモンが強いとワキガになる』という事実は直接は書いてありません。男性ホルモンというのは、
と色々ありますが、その中のどの言葉も本には書かれていません。したがって、『男性ホルモンの○○が強いとワキガになる』という事実はないように見えます。
例えばこれがAGA(男性型脱毛症)なら、『ササっとわかる薄毛の悩み解決最前線』(講談社)にはこうあります。
男性型脱毛症(AGA)は『男性ホルモン』の影響から
(省略)実は男性ホルモン(テストステロン)には、体毛やひげなどに代表されるように、『毛を生やす』という作用があるのですが、前頭部と頭頂部の毛乳頭に多くある特殊な酵素と結びつくと、ジヒドロテストステロン(DHT)という脱毛を促進する物質がつくられます。
AGAの原因が男性ホルモンのテストステロン、そしてジヒドロテストステロンにあると出てきましたね。
また、EDの場合はこうです。『オトコの病気 新常識』にはこうあります。
男にも更年期障害がある!
(省略)実は、これらの症状は男性ホルモンが減少する更年期に差し掛かったあたりで起きることが多い。これまで『更年期障害』といえば女性特有の病気と考えられてきたが男性にも更年期障害がある、というわけだ。この症状は更年期以降も続くため、最近では『加齢男性性腺機能低下症候群』(LOH症候群)『男性ホルモン低下症候群』などとも呼ばれている。生活上のストレスによって症状がより強く出ることが多く、ストレス社会と呼ばれる最近の社会情勢の中で、世間の注目を集め始めている。
男性更年期障害はEDの原因?対策は生活習慣の最適化と、早めの診療 – Under”I” |
更年期障害によって男性ホルモンが減少し、LOH症候群になり、これによって男性は男性ホルモンのテストステロンが減少し、次のような症状が起こります。
したがって、ここに出ているような症状は全て『男性ホルモンの低下』によって起きる現象であり、いずれも男性ホルモンが関係していると考えられます。また、ニキビやうつ病等に関しても、それぞれ『ホルモン』が関係しています。
しかし、こと『ワキガ』に関してはそのようなことはないのです。したがって、一見するとワキガと男性ホルモンは特に関係性はないと考えられます。
ただ、下記のページに書いたように、
ワキガのセルフチェック!ワキガ診断をしてみよう! – Inquiry. |
テストステロンのはたらきとして挙げられるのは、
ということです。毛深く、皮脂が多い人は男性ホルモンのテストステロンの分泌量が多いということになります。『男らしいとワキガになる』という印象がありますが、それはあながち的を外していません。『男らしさ』の定義は色々ありますが、単純にここで出てきた『テストステロンのはたらき』は、=男らしさに繋がっています。男というものは、
と言えるからです。逆に女性がそういう体質であるということは、『女らしい』という印象はありませんよね。毛深く、脂性であるということはテストステロンの分泌量が多いということですから、総合的に考えるとそういう人は『男らしい』と言えます。つまり、
という人は、必然的に『ワキガ体質になりがちである』という図式が浮き彫りになります。したがって、『男性ホルモンの○○がワキガの原因である』という旨について主張する専門家は言えませんが、結果的に、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が多い人は『ワキガになりやすい』と言えるでしょう。
また、下記の記事に書いたように、体毛が多く、かつ密集しているということは、細菌が繁殖しやすい環境が整っていることを意味しますし、もし『わき毛も多い』となれば、ニオイ発散装置も人一倍稼働していることになりますから、
ということで、そうでない人と比べるとかなりワキガ臭を発しやすい状態にあると考えられます。毛深く、食欲旺盛であるということがどういうことかということは、下記の記事をご覧ください。
脱毛をするとワキガが治る?悪化する?わき毛処理はワキガ対策になるのか – Inquiry. |
ワキガの原因となる食べ物とは?『肉食→魚食→??』で対策はバッチリ! – Inquiry. |
男らしく、食欲旺盛で、血気盛んであれば、自ずと『ワキガの原因』を増やしてしまいがちとなります。
食生活が荒々しいだけでワキガの原因になりますからね。また、わき毛や体毛が多ければ、それだけニオイを外に発散しやすくなります。
まとめると、元々テストステロンの分泌量が多いというだけで、大元の『アポクリン汗腺』自体が少ないという人であれば、その血気盛んな生活習慣のせいで体臭は発しやすくなったとしても、ワキガではないということになります。
男性ホルモンが強いとワキガになる?
男性更年期障害でテストステロンは減少するが…
また、そのような人であっても(男性更年期障害、LOH症候群)等の時期になる、つまり老化とともに生活習慣も改められるので、体臭の悩みは自然と改称されていく可能性がありますね。
しかし、このようにしてLOH症候群等で男性ホルモン(テストステロン)が減少したとしても、大元のアポクリン汗腺が多いという人であれば、ワキガ体質はそのまま変わらないということになります。ただ、加齢によってアポクリン汗腺の分泌は減少し、ワキガ臭は少なくなってきます。
完全になくすとなると、アポクリン汗腺自体を手術で切除するしかないということになりますが、『ニオイをかげば病気がわかる』にはこうあります。
ニオイをかげば病気がわかる (講談社+α新書)
この方は、東京教育大学大学院を修了した理学博士です。嗅覚研究の第一人者として第一線で活躍するニオイのプロですから、どうやら『大人のワキガ手術』に関しては、成功率は高いようですね。アポクリン汗腺を切除することによる後遺症は、高くないと言えそうです。
ワキガのニオイはフェロモン?
『性ホルモン』と『フェロモン』は違います。下記の記事にも書いたように、
『体臭・多汗の正しい治し方』にはこうあります。
デオドラント革命―新版・体臭多汗の正しい治し方
ワキガというのは『性ホルモンの刺激』を受けて発生、あるいは強くなる事実が浮かび上がりますが、ワキガのニオイというのは、フェロモンであり異性へのアピールとして使われているものだという事実が浮き彫りになります。更に、『ワキガはたった30分で完治します!』にはこうあります。
ワキガはたった30分で完治します!―超音波日帰り手術法なら
やはりワキガのニオイというのは、フェロモンとして異性へのアピールとして使われているものであり、しかし現代人は嗅覚が鈍っていて、それをフェロモンではなく『悪臭だ』と感じるようになってしまったわけですね。
特に、ワキガ体質の少ないアジア人になると、そういう傾向になります。
人間の女性のバストが大きくなった理由
更に似たような話が『メディカル・バストアップ』(現代書林)にはあります。
メディカル・バストアップ―夢の豊胸術にめぐり逢うストーリー
こうして考えると、人間は四足歩行から二足歩行に進化したときに、『大きく変化したもの』がいくつかあるようですね。この『ワキガとフェロモン』の問題を考えるとき、このあたりの要素が無関係だとは思えません。
ワキガのニオイはフェロモン?
楊貴妃とクレオパトラはワキガだった?
ワキガは加齢臭や足の蒸れた匂いとも違い、濃厚で獣っぽい独特の匂いを放っていて、西洋ではワキガはセクシーな香りとされています。また世界三大美女のクレオパトラ、
と楊貴妃も、
『体からなんともいえない魅力的な芳香がした』という内容の記述があり、ではワキガ体質だったと推定されているんですね。
ただ、『ワキガ・多汗症治療の最前線』にはこうあります。
ワキガ・多汗症治療の最前線
彼女らが『ワキガだった』とは明言されていませんが、今ほど簡単にシャワーを浴びれるわけではなかった当時、彼女らほどの絶世の美女であっても、独特の体臭を持っていたということは推測できます。
ただ、それは彼女らだけではなく、他のあらゆる女性たちにも同じことが言えますね。しかし、彼女らからは特に『体からなんともいえない魅力的な芳香がした』という印象があるということは、『彼女らの地位になければ手に入らない物』を使って、体臭の演出をしていたことが考えられます。
それは、知恵かもしれないし、香水のようなものかもしれません。何かはわかりませんが、他と一線を画す何かがなければ、そのような印象にはならないということですね。もしかしたら、それが『ワキガ臭』だった可能性もあるかもしれません。人種別ワキガ体質の割合を見ても、
人種別ワキガ体質の割合
いまだに欧米人のほとんどはワキガ体質であり、むしろそれは彼らにとって、魅力の一つなのです。フェロモンであり、セックスアピールにすらなる。そう考えると、絶世の美女と言われた彼女らからワキガ臭がしていてもおかしくはありませんね。
驚くほどの美人ではなかったクレオパトラ
ただ、クレオパトラに関してはギリシャ・マケドニア系の民族でしたが、楊貴妃は中国系ですからね。中国人も韓国、朝鮮人と同様、ワキガ体質の割合は5%程度しかいません。また、ある文献には、
プルタルコス曰く、
彼女は驚くほどの美人ではないが、社会性に優れており、話術に長け、話をすれば人々の心をひきつけ、仕草も魅力的で美しい声だった。
とされています。プルタルコスは、帝政ローマの著述家であり、紀元46年生まれですから、同じ時代を生きているわけではありませんが、紀元前69~紀元後30年を生きたクレオパトラのことについて知っていてもおかしくはありませんね。彼が言うには、クレオパトラが魅力的だったのは、
ではなく、『知性』だったということです。したがって、『彼女らはワキガだったから人々から人気があった』と結論付けるのは乱暴かもしれませんね。また、世界三大美女の最後の一人である小野小町も、当時の小野小町像とされる絵や彫像は現存せず、後世に描かれた絵でも後姿が大半を占め、素顔が描かれていない事が多いので、彼女の美貌がどのようなものであったかを示すものがありません。
彼女が美女だったと言われる理由の一つは、彼女にどうしても会いたくて仕方なかった人が、彼女の言うことを聞き、体に無茶をし、過労死してしまったという事件があり、
そんなことがあるなら、彼女は絶対の美女に違いない
という噂と固定観念が生まれた、というものがあります。今の世でも、
なんでこんな不細工に騙されたんだ…
という事件をニュースで見ますよね。詐欺師の女に騙された金をとられたとか、殺されたとか、そういう不思議なことがありますが、もし、小野小町がその類の、ある種の『人たらし』のような人であった場合、彼女と美貌とは、直接結びつかない可能性があります。
いずれにせよ、世界三大美女に選ばれる女性たちが『ワキガ』だったという確固たる証拠は一つもありません。したがって、ワキガ臭はある種のフェロモンではありますが、必ずしもワキガがあれば異性にモテるということではないということですね。
楊貴妃が出していたジャコウのニオイ
また、楊貴妃が出していたそのジャコウのニオイですが、『ニオイをかげば病気がわかる』にはこうあります。
ニオイをかげば病気がわかる (講談社+α新書)
先ほど私が『彼女らの地位になければ手に入らない物を使って、体臭の演出をしていたかもしれない』と推測しましたが、この『天然ムスク』を使っていたとあれば、確かにそうだと言えるかもしれませんね。
しかし、このムスクは人間には性フェロモンとしての効果がないとされています。ただ、メスのジャコウジカを引き寄せるだけだというのです。まあ、人間のフェロモンを嗅ぎ分ける嗅覚は鈍化していますからね。ただ単に、
いい香りだなあ…
と思うだけで、ムスク自体に異性を惹きつける媚薬的効果があるというのは、単なる錯覚なんですね。 フェロモンがあると錯覚してしまうんですね。ですから、その錯覚につけこんで、『媚薬入りなんたら』という媚薬剤のようなものが売られ、そして、無知な人々がそのカモになってしまうということです。『あわよくば』ですね。
ただ、先ほどのその『ニオイをかげば病気がわかる』にも、『ワキガ臭も性フェロモンの一種』だと書いてあります。したがって、ムスクには性フェロモンとしての効果はないが、ワキガ臭には性フェロモンとしての効果があると言えるわけです。
ただ、人種によって、それを『性フェロモン』と捉えるか『悪臭』と捉えるかに分かれるのです。正直、ワキガ体質の少ない日本人には、
ムスクの方に性フェロモンがある
と言った方が納得がいくでしょう。日本人からすればワキガ臭が悪臭であり、ムスクのニオイがいいニオイだからです。
まとめるとこうなる
つまりまとめるとこうなります。
ワキガ臭は確かに性フェロモンだが、進化の過程で人間の嗅覚は鈍化し、視覚や聴覚が発達した。それによって、例えば人間の女性はバストが大きくなり、ワキガ臭のニオイだけで異性の魅力を判断しなくなった。
嗅覚が鈍化した人間は現在、ワキガ臭を悪臭だと感じることがあり、何の性フェロモンも出ていないムスクや香水のにおいを良いニオイだと感じることが増えた。
ただ、欧米ではいまだにこのワキガ臭を性フェロモンだと認識し、魅力を覚える価値観が蔓延しています。もし、自分のワキガ臭を異性に性フェロモンだと認識してもらいたいなら、
ということに目を向ければいいということになります。最も難易度が低く現実的なのは一番最後ですが、移住をちょうど考えていた人であれば、朗報ですね。
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