ワキガが遺伝する可能性、急に発症する可能性、先天性と後天性はある?
ワキガは顕性遺伝(優性遺伝)のため、片方の親がワキガであれば50%、両親がワキガの場合は80%の確率で遺伝すると言われています。
そしてワキガには先天性しかありません。アポクリン腺の数は生まれつき決まっているからです。しかし、そのアポクリン腺が大人になるまで未発達状態にあることはあります。そうなると、大人になってから急にワキガ臭を発することになるということはありえます。
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下記の記事に書いたように、ワキガは遺伝します。ワキガの遺伝を更に正確に言うと、ワキガは優性遺伝をします。つまり、ワキガが発生しやすい条件、下記といった体質を受け継ぐということになります。
優性遺伝というのは、親の体質や性格などが子供に受け継がれやすいことを意味し、遺伝の確率は非常に高くなるのが特徴です。したがって、両親がワキガ体質であれば、かなり高い確率で『先天性のワキガ体質』ということになります。
ただ、この『優性遺伝』という言い方は2017年9月15日に呼称が変わりました。遺伝学では100年以上にわたり、遺伝子の2つの型のうち特徴が現れやすい遺伝子を優性、現れにくい遺伝子を劣性と呼んでいました。
しかし、遺伝子に優劣があるとの誤解を避けるため、そこから優性を「顕性」、劣性を「潜性(せんせい)」とすることになりました。したがって言いなおしますと、
ワキガは顕性遺伝する
ということになりますね。顕性遺伝する可能性があるものの代表は、
が挙げられます。このうち例えば髪の毛であれば、
となり、両親のどちらかにくせっ毛がいる場合は、顕性遺伝によって子供はくせっ毛になる可能性が高いと考えられます。また、髪の毛の色は、『より濃い色』が顕性遺伝。したがって、黒上の日本人と、金髪の外国人が結婚して子供を産んだ場合、顕性遺伝によって子供の髪の毛の色は、黒となる可能性が高いわけですね。
また、ブロンドの女性が子供を産んで徐々に髪の毛が黒くなる理由は別のところにあります。『話を聞かない男、地図が読めない女』にはこうあります。
ブロンド女は子だくさん
ブロンドの髪は、エストロゲンが豊富であることを意味している。(中略)ブロンドの女が子供を産むと、髪の色が黒みがかってくる。体内のエストロゲンが減少するからだ。二番目、三番目と子供が増えるごとに、髪はますます黒くなる。30歳すぎでナチュラルブロンドの女がめったにいないのは、ホルモン変化のせいなのだ。
子供を産むとエストロゲンが減少し、そのせいで髪の色が黒くなるんですね。
さて、このようにして考えたとき、『ワキガは顕性遺伝』なわけですから、両親のどちらかがワキガ体質であれば、高い確率で子供もワキガになるということになります。
『ワキガはたった30分で完治します!』にはこうあります。
ご両親もワキガですか?
(省略)というのは、ワキガは優性遺伝をするからです。もう少し正確に言うと、ワキガが発生しやすい条件、つまりアポクリン汗腺の数が人より多いとか、アポクリン汗の分泌量が多いといった体質を受け継ぐのです。優性遺伝とは、親の体質や性格などが子供に受け継がれやすいことを意味し、遺伝の確率は非常に高くなります。あるデータによれば、ワキガの場合もどちらかの親がワキガであれば、子供に受け継がれるのは50%、両親ともにワキガなら80%の確率で子供もワキガである確率が高い結果が出ています。
ワキガ体質は顕性遺伝だからして、
というかなり高い確率で受け継がれてしまうんですね。また、『隔世遺伝』する可能性もあるといいます。
両親ではなく、祖父母やそれ以上前の世代から世代を飛ばして遺伝しているように見える遺伝現象のこと。
つまり、両親はワキガではないのに、祖父母がワキガであればそれが遺伝する可能性があるということですね。割合としては少ないですが、そういうケースに当てはまる人がたしかに実在しています。
しかしそう考えると下記のデータのように、
人種別ワキガ体質の割合
黒人や白人のほとんどがワキガ体質であるという事実もうなづけます。つまり、ワキガ体質は顕性遺伝であるが故、常に自分の先祖がワキガ体質である彼ら・彼女らは、このワキガ体質の割合をキープし続けているというわけですね。
では、『後天性のワキガ』というのはあるのでしょうか。それがあり得るなら、『人間は成熟するにつれ、アポクリン腺が増える可能性がある』という事実が存在することになります。そうなると、その答えは『No』となります。
下記の動画は、あらゆる体臭について知り尽くす五味常明先生の出している公式動画です。
ワキガを完全に治す方法を教えてください(体臭多汗Q&A 3)
動画では、
アポクリン腺は手術をすれば、完全に、100%取れる。ただ、アポクリン腺には根っこがあり、それを残すので再発する可能性がある。だから、根こそぎ完全にとれば、ワキガ臭は完全に、永久的に取れる。ついでに多汗症も治る。
と説明しています。『根こそぎ完全にとれば、ワキガ臭は完全に、永久的に取れる。ついでに多汗症も治る。』と説明していて、『アポクリン腺はいつかまた増える可能性があるので、それまでの一時的な措置である。つまり半永久的である』とは言っていません。
つまり、アポクリン腺というものは、一度『根っこごと』切除してしまえば、もう二度と増えることはないのです。ついでに言うと、わきの下にそれがなくても、生活に何の支障もないのです。
『多汗症も治る』ということは、エクリン腺の方も切除できることを意味していますが、それを切除しても問題はないのです。更には皮脂腺も同様です。『ニオイをかげば病気がわかる』にはこうあります。
ところで、美容整形外科で行われているワキガ治療手術は、アポクリン腺を一つひとつレーザーで焼き切るという方法をとっています。こうして人工的にアポクリン腺を取り除いてしまっても、人体や生活にはなんの支障もないようです。
この方は、東京教育大学大学院を修了した理学博士です。嗅覚研究の第一人者として第一線で活躍するニオイのプロですから、『大人のワキガ手術』に関しては、成功率は高いようですね。
子供や未成年はワキガ手術してもいいの?何歳から出来る? – Inquiry. |
ですから、『後天性のワキガ』というのは、『アポクリン腺が増えることはない』という事実が存在するからして、あり得ないということになります。
ただ、ワキガが急に発症するということはありえます。まず、先ほどの記事に書いたように、『子供のワキガ』事情について考えたときに、それは浮き彫りになります。そこにも載せた下記の動画は、あらゆる体臭について知り尽くす五味常明先生の出している公式動画です。
ワキガ手術は何歳から受けることができますか?(体臭多汗Q&A 19)
子供のアポクリン腺は、目で確認できない部分がある。高校生以下の子供が手術をしても、再発する可能性がある。
と言っています。つまり、『アポクリン腺が未発達だったからゆえにワキガ臭がしなかったが、アポクリン腺が発達したことでワキガ臭を放つようになった』という事実はありえるわけですね。ではここで、ワキガ臭が発生する原因と流れを見てみましょう。
このようにして、ワキガ臭はアポクリン腺があることが前提なのですが、このアポクリン腺が最初から存在しない、あるいは数少ないという人は、ワキガにはなりません。
例えば、先ほどの子供の記事に書いた、
大人のアポクリン腺よりも子供のアポクリン腺は小さいため、アポクリン汗腺を完全に取り切れず、再発する可能性がある。
ということに注目です。また、先ほどの動画『ワキガ手術は何歳から受けることができますか?』では、
高校生以下の子供が手術をしても、再発する可能性がある。
と言っています。ここから見えてくるのは、
現在は、ワキガ臭が発生するほど、アポクリン腺は大きく、多くないが、潜在的には存在していて、それが成長するにつれ、あるいは何らかの影響によって肥大化し、将来的にワキガ臭を発する可能性がある人がいる
という事実です。例えばこの未成年の人たちを『ワキガ体質予備軍』と考えることはでき、それを『後天性のワキガ』と無理矢理分類することはできます。ただ、後天性というのを辞書で引いてみると、
生まれた時は通常ではあったものの、人間生活を送っている途中に事故や環境など様々な事柄を原因として持つこととなってしまった病気や障害の性質。
という意味ですから、厳密には違うんですけどね。また、その『エセ後天性ワキガ』ですが、それであれば、食生活や生活習慣等の乱れによっても引き起こされる可能性があります。それについては下記の記事に詳細を書きましたので、併せてご確認ください。
ワキガの原因はストレス?健康的な生活でどこまでワキガが改善するのか – Inquiry. |
ワキガの原因となる食べ物とは?『肉食→魚食→??』で対策はバッチリ! – Inquiry. |
要点は、
ですね。更に細分化すると、
このあたりの要素を確実に最適化しないと、ワキガ臭が悪化する可能性があります。例えば食事であれば、
という図式があります。つまり肉食・高カロリー食というのは、
という様々な理由で、人間にとっての『ストレス』となり、ひいてはアポクリン汗腺等の肥大につながり、ワキガ臭や体臭を悪化させる原因となる可能性が高いんですね。したがって、これらの要素を最適化しないで乱したままでいると、『エセ後天性ワキガ』が発生しうる可能性が高くなります。
それは厳密には『後天性のワキガ』ではないものの、『最初はワキガではなかったはずだが、いつの間にかワキガ臭を放つようになった』という事実を考えたときに、同じような現象であることがわかりますね。どのように最適化すればいいかということは、各記事に細かく書きましたので、併せてご確認ください。
しかしそう考えると、日本人のワキガの場合、徐々に徐々にこの数値は減っていく可能性がありますね。遺伝率が100%であれば、日本人のワキガ体質の割合は10~15%のまま変わりません。しかし、50~80%ということであれば、子供の中には『体質を受け継がない子供』も生まれることになり、そうなると計算的には徐々に日本人やアジア人のワキガ体質は減っていくと推測することができます。
しかし、『からだのニオイは食事で消す 体臭は内臓からの注意信号』にはこうあります。
食の欧米化が体臭をふやした!
かつて、日本人の食生活は菜食が基本だったので、肉はほとんど食べていませんでした。仏教の影響が強かった日本では、おおむね肉食禁止の戒律が守られてきたからです。明治時代になって、西洋の肉食文化が入ってきました。それでも、戦前まではこうかな肉類は庶民の手には入りづらく、一部の人たちだけのごちそうでした。けれど、戦後アメリカの影響で食事が欧米化するとともに、動物性の食べ物や油脂の採取量が大幅に増えたのです。
『アポクリン汗腺の数』に関しては確かにそう推測することもできますが、こと『体臭』に関しては、むしろ増加してしまう可能性もあるとも推測できます。
ワキガ臭が発生する原因と流れを思い出しましょう。このような食事はワキガの原因物質である『皮脂』の原因ともなってしまいます。したがって、
という事実があるからといって、あまり油断してしまうと、日本人はワキガや体臭に悩む将来が来るかもしれません。まあ、そういう時代がきても、黒人や白人などをみればわかるように、そこからさらに100年ほど経てば、『その匂いが当たり前』になり、そもそもが『ワキガ臭』という概念がなくなるかもしれませんけどね。
かつて、クレオパトラや楊貴妃も独特な体臭を醸し出していたように、ワキガ臭=悪臭というのは単なる一時代の『流行』的な概念なのかもしれません。
冒頭に貼った記事に考え方については書きましたが、『ワキガの遺伝と親への恨み』というテーマについて、『ワキガ・多汗症はこれで確実に治る』にはこうあります。
(省略)私のクリニックにいらっしゃる患者さんのなかににも、
『私はワキガのため他人にひけめを感じ、結婚をしないでいまでに独身です。家にひきこもりがちだったこともあります。そんな私をよそに、母は同じワキガなのに私より軽いせいか、いそいそと外出したりするのです。それを見るたびに、私は遺伝に腹が立ってしょうがなかったものです』
とノイローゼ気味に訴えられる方もいます。(中略)しかし、ワキガは親を恨んでも解決できません。
ワキガは親を恨んでも解決できない。このことに冷静に目を向けたいですね。各専門クリニックではワキガ手術を受けることができますので、一度手術を考えてみましょう。
もし、自分の命の尊さについて理解を深めたい場合は下記の記事を見ましょう。
また下記の記事に、遺伝以外のワキガのチェック方法を載せたので、併せてご確認ください。
ワキガのセルフチェック!ワキガ診断をしてみよう! – Inquiry. |