梅干しはワキガ対策になる?
梅干しは強力な口臭対策になります。
しかし、強力なワキガ対策にはなりません。梅干しはアルカリ性食品であり、クエン酸が含まれますので、体のメンテナンスにはもってこいの食品ですが、一日に何個も食べると塩分を過剰摂取しますし、ワキガに有効とまでは言えないでしょう。ただ、食べないよりは食べた方がいいと言えます。
梅干しに含まれるクエン酸の酸味で唾液の分泌が促される、口臭対策になります。しかし、酸味の強い食事を摂りすぎることは問題があります。それによる、
のことを考えると、食べすぎには注意が必要です。
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ワキガに梅干しが有効かというと、そうでもありません。下記に書きますが、梅干しに含まれるクエン酸が、口の中の雑菌の繁殖を抑えるとともに、その酸味で唾液の分泌が促されるので『口臭』には有効ですが、ワキガ臭に有効ということではないんですね。
『体臭をなくす。ホントなの↑ウソなの↓』にはこうあります。
お茶、梅干しは体臭、口臭を防ぐ。
(省略)口臭予防の決定版は梅干しだ。唾液を分泌するのは梅干しに勝るものはない。また、梅干しに含まれるクエン酸が口の中を見事に殺菌する。
全く同じことが書いてありますね。従って梅干しは口臭対策としては注目されていますが、ワキガ対策としては注目されていません。
しかし、『レモン』同様、全く効果がないとは言い切れません。
レモンがワキガ対策になる?体臭に有効なレモンタオルマッサージとは – Inquiry. |
レモンのこれだけの効果を考えても、結果的にそれが体臭やワキガ臭の対策になることは間違いありません。疲れやストレスは自律神経を乱して発汗しやすくなりますし、抗酸化作用によって活性酸素からの攻撃を防御できれば、ありとあらゆる体のトラブルを予防・改善することができます。下記の記事に書いたように、
『あたらしい栄養事典』にはこうあります。
梅 有機酸が豊富で疲労回復や整腸作用に有効
生の梅の実には有害な青酸化合物が含まれていますが、梅干しなどに加工するとこの成分は失われます。梅干しのすっぱさはクエン酸やコハク酸などの有機酸で、疲労回復効果があります。ただし、塩分が多いので食べすぎには注意しましょう。
体内のおもな働き
- 消化酵素と唾液の分泌を高めて胃腸の調子を整え、食欲を増進します
- カルシウムや鉄の吸収を促し、骨を丈夫にしたり、貧血予防にも
- 二日酔いや便秘、神経痛の緩和など
このうちワキガや体臭に効果があるのは、
です。クエン酸の疲労回復効果はレモンの考え方と同じです。
また、カルシウムや鉄の吸収を促してくれれば、下記の『牛乳』の記事で書いたようなことが言えるようになります。
カルシウムが不足すると、
等の問題を引き起こしますが、このように精神が不安定になることは、『発汗』を考える際に問題となります。それは下記の記事に書いたように、交感神経が優位になるからですね。
ですから、カルシウム不足によってイライラするようになると、交感神経が優位になり、発汗しやすくなるんですね。すると、ワキガ臭を外に発散しやすい体質となってしまいます。
それは、神経痛の緩和においても同じことが言えますね。神経痛が緩和されれば気分がリラックスしますから、それによる自律神経の乱れを整えることに繋がります。
また、便秘が改善されればデトックスができます。下記の記事に書いたように、
からだにたまる3大毒素は、
ですが、このどれもが体にたまってしまうと、
等の問題が起き、体を不健康状態に陥れます。それに加えて、そうした有害物質をため込んでおくと、
等のニオイ物質も溜まりますから、それが体臭の原因となります。ちなみに体内毒素は、
の割合で体外に排出されるので、ほとんどが大便と小便から出るんですね。つまり、そのうちの大便がしっかりと促されるということは、変に岩盤浴やサウナなどで『発汗』をして、汗からデトックスをするよりも、はるかに高いデトックス(解毒)効果を期待できるわけです。
また、下記の記事に書いたように、
『薬いらず!すぐに役立つ健康読本』(新風舎)にはこうあります。
娘に『臭い』と言われた…。加齢臭、口臭を消したい!
健康な人は本来体臭はありません。体臭があるのは体が酸性になって、汚れがたまっているからです。(中略)体臭や口臭が出るほど体が酸性になっているという人は、疲れやすかったり風邪をひきやすかったりと、どこか体調が悪いはずです。放っておくと深刻な病気に繋がりかねません。体臭のある人は、体が注意信号を出しているととらえ、酸性体質の改善に取り組みましょう。肉や魚、甘いものや乳製品などの酸性食品を控え、根菜類や海藻、梅干しなどのアルカリ性食品を積極的に摂りましょう。
血液がきれいに、そして元気になります。そうすれば体臭が気にならなくなると同時に、体も快調になってきます。
食物には、酸性食品とアルカリ性食品があります。以下がその例です。
アルカリ性食品ばかり食べればそれでいいというわけではないのですが、 こうしてみると、やはり酸性食品は健康面を損ね、アルカリ性食品が健康面を支えている印象がありますね。もちろん下記の記事に書いたように、
といった問題を予防する為に、酸性食品である肉や魚を摂取することが推奨されることもありますが、往々にしては酸性食品は健康的には敵視され、アルカリ性食品を積極的に食べていくべきだと言われています。
卵は精力増強に有効?『サルコペニア』、『フレイル』の予防って…それ何? – Under”I” |
筋力・バランス能力の低下、骨や関節の病気などによって転倒・骨折しやすくなること。自立した生活ができず、介護が必要となる危険性が高い状態。
筋肉量が低下し、筋力または身体能力が低下した状態。加齢によるものと、体を動かさなかったり、栄養不足、病気などが原因で筋肉量が減る場合のものとがある。
加齢によって筋力や精神力が衰える状態全般を指す言葉。働くことが面倒になると、ますます筋力が低下し、要介護のリスクが高まる。
こうした点を考えると、肉や魚等の酸性食品を控え、野菜や梅干し等のアルカリ性食品を摂取して体をアルカリ性に傾かせ、血液を綺麗にすれば、体臭の抑制につなげることができます。
ですから、梅干しが『ワキガに劇的に有効である』ということはありませんが、体のメンテナンスにはうってつけの食物なので、塩分を摂りすぎないように1日1粒の梅干しを食べることは、むしろ推奨されるでしょう。
梅干しの作り方-/How to make delicious umeboshi(pickled ume)
上記は梅干しの作り方ですが、あまりこれを参考にして一から梅干しを作る人はいませんね。また、梅干しは1日1粒程度に抑えるのがいいので、レシピというレシピもそうありませんね。おにぎりや御飯のおかずとして1粒食べるのが相場でしょう。
また、下記の記事に書いたように、『合成調味料、添加物』等の観点から考えたとき、コンビニのおにぎりは『梅、鮭』であれば推奨されています。
そこで紹介している『子どもと添加物 33のポイント』には、
の違いを説明しています。ファミリーマートの方が添加物が多いというんですね。
ですから、セブンイレブンの『紀州南高梅』は健康面から見てもとても優れていて、手軽に梅干しが食べれる商品となっています。
前述したように、口臭対策の食事と言えば、梅干しが筆頭に挙げられます。梅干しに含まれるクエン酸が、口の中の雑菌の繁殖を抑えるとともに、その酸味で唾液の分泌が促されるので『口臭』に有効なのです。
そして『カルシウムや鉄の吸収を促す』ということですが、カルシウムが不足すると、
等の問題を引き起こしますが、このように精神が不安定になると、交感神経が優位になります。水分や唾液がなくなったり、交感神経が優位になるとネバネバ唾液になり、酸素を嫌う嫌気性菌(悪玉菌)が増えて、それがニオイを発生させるのです。
自律神経や環境によって口の中に起きる変化
繁殖する菌 | 分泌される唾液 | ニオイ | |
---|---|---|---|
交感神経優位 | 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 | ネバネバ唾液(粘液性唾液) | する |
副交感神経優位 | 善玉菌。好気性菌脂臭 | サラサラ唾液(漿液性唾液) | しない |
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ですから、カルシウム不足によってイライラするようになると、交感神経が優位になり、口臭の原因となります。したがって、梅干しの『カルシウムや鉄の吸収を促す』効果は口臭の対策につながっていると言えます。
また、『便秘の解消』ですが、便秘になると腸内腐敗が起き、悪玉菌が増え、体臭の原因となります。もちろん口臭の原因ともなります。
悪玉菌にも一応の役目があり、善玉菌にできない分解をしてくれます。しかし、それと引き換えにニオイ物質を引き起こしてしまうことが玉に瑕なわけです。
ですから、梅干しに含まれるクエン酸の整腸効果、便秘解消効果は、口臭対策として有効だと言えます。
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その腸に有益な働きをする細菌、またはこれを含む食品を『プロバイオティクス』と言い、そのプロバイオティクスの働きを助ける物質を『プレバイオティクス』と言います。
そして『シンバイオティクス』とは、この2つを同時に含んだもの。または、それぞれを同時に摂取することを言います。
その例として、『玄米+納豆』、あるいは『玄米+野菜ときのこたっぷりの味噌汁』等の組み合わせが有効なのですが、その玄米の上に梅干しを乗っければ、最高の組み合わせとなります。梅干しはご飯と一緒に食べることが多いので、その際は是非ともシンバイオティクスを意識して、腸内環境を整えましょう。
『お口のさわやかエチケット』(三省堂)にはこうあります。
食事中には口臭は弱まる
先述したように、唾液の分泌量が多いときは口臭も弱く、分泌量が少ないときには口臭が強くなります。ではどんなときに唾液は多く分泌されるのでしょうか。通常、安静にしているときに分泌される唾液の量は、一分間あたり0.3mlと言われます。これは『安静時唾液』と呼ばれるもので、外から受ける刺激のないときに持続的に分泌されるもので、一日の分唾液量の大部分をしめます。
これに対し、刺激を受けたことで分泌される唾液が『刺激唾液』です。目の前にある梅干しを見た途端に、口の中に唾液があふれてきた。そんな経験は誰にでもあると思います。(中略)こうした刺激唾液の分泌速度は、安静時唾液の5~7倍にもなり、一分間あたり1.5~2.0mlも分泌されます。また食事をしている最中にも噛むことで唾液が頻繁に分泌されます。
まず、食事をすること自体が唾液の分泌を促し、口臭対策になるのです。またこの刺激性唾液は『梅干しを見た』だけではなく、実際に梅干しを食べたときに出る唾液のことでもあるのですが、刺激性唾液になると唾液の分泌量はとても多くなります。
各唾液の分泌量(一分間あたり)
安静時唾液 | 0.3ml |
---|---|
刺激性唾液 | 1.5~2.0ml |
これで梅干しなどの刺激物が口臭にとても有効であることがわかりますね。
しかし、実は梅干しには注意点がいくつかあるのです。まず先ほどの栄養の本にはこうありました。
塩分が多いので食べすぎには注意しましょう。
一つ目は過剰摂取による塩分過多の問題です。塩分を大量に摂取すると、体内のナトリウム濃度が高くなり、その濃度を下げようとして皮下組織に水分が集まってきます。
そして、その水分がやってくるのは『大腸』です。便には70~80%の水分が含まれているが、そこからさらに水分を吸い取り、皮下組織に移動させようとします。そうすると、便が固くなり、便秘がちになります。便秘になるとどうなるかというのは前述したとおりですね。したがって、梅干しは食べすぎないように注意する必要があります。
またもう一つは『酸性』のその特徴にあります。下記の記事に唾液のことについては詳しく書きましたが、唾液の力には以下のようなものが挙げられます。
唾液腺でつくられる免疫系の要
健康維持にとって欠かせない多機能成分
口内などの粘膜を保護するねばねば成分
口の中をいつも中性に保つ唾液の主成分
発がん性物質の活動を抑える
眠りを誘って睡眠の質を上げるホルモン
細胞の活性化や修復を促す大切な栄養因子
口臭と唾液の量はどう関係している?ネバネバ唾液とサラサラ唾液 – Inquiry. |
これを踏まえた上で、『脳卒中・がん・肌の老化予防から、誤えん性肺炎まで 唾液サラネバ健康法』にある内容を見てみましょう。
酸性の強い食材を摂り続けるリスク
平常時に比べ、IgAの量が格段に増えるときがあります。この唾液のことを『刺激性唾液』といいます。刺激性唾液はIgA以外の成分も増えるため、唾液全体が高濃度の状態になっています。どのようなときに高濃度の刺激性唾液に変わるのかというと、じつに単純な話で、刺激性のある食物を口に含んだときです。刺激性のある食物とは、レモンや酢など酸味が強い食物です。
かつては、唾液を高濃度に保つため、こうした酸味の強い食材を摂ることをすすめるお医者さんも多くいました。しかし現在はあまり奨励されていません。酸性の強い食材を食べ続けると『酸蝕症』という疾患を引き起こし、歯が溶けやすくなるのです。
(中略)同じように刺激性唾液につながりやすい食物に梅干しがあります。梅干しは酸性が強いうえ、塩分の摂りすぎにつながるので摂取量には注意が必要です。
のような酸味の強い食物をあまり食べすぎると、
といった疾患、あるいは現象が起きてしまい、歯が溶けてしまうデメリットがあります。では、虫歯になる流れの一つを見てみましょう。
虫歯はこの脱灰によって歯が溶けてしまい、穴が空くことで起きてしまいやすくなります。ですから歯が溶けることはなるべくなら避けなければならないのです。
虫歯の詰め物や銀歯は口臭の原因?虫歯(う蝕)も悪化すると口臭の原因となる – Inquiry. |
たしかに梅干し等の酸味が強い食物は、刺激性唾液を生み出し、高濃度の唾液を出し、口臭対策になります。しかし、
のことを考えると、食べすぎてしまってはいけないことがわかりますね。
そう考えると梅干しは、先ほど挙げたようなシンバイオティクスの一環として、
というように、『最高の付け合わせ品』として、その他の『口臭対策になる食事』と一緒に合わせて少量を食べることが理想的だと言えるでしょう。
玄米おにぎりの作り方:梅じゃこ How to make brown rice ball with umeboshi and tiny dried sardines
こういうメニューもいいですね。また、口臭対策におすすめのフルーツとして挙げられるのは、以下のものがあります。
口臭について知っている人であれば、まず真っ先にこれらの果物を挙げるでしょう。理由は『システインプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)』です。この酵素の働きのおかげで、舌苔にある汚れを取り除くことができます。
各食材のプロテアーゼ
パイナップル | ブロメライン(ブロメリン) |
---|---|
イチジク | フィカイン(フィシン) |
キウイフルーツ | アクチニダイン(アクチニジン) |
パパイヤ | パパイン |
ショウガ | ジンギパイン(ジンギバイン) |
マイタケ | マイタケプロテアーゼ |
納豆菌 | ナットウキナーゼ |
※ちなみにこれらのフルーツに含まれるプロテアーゼは、熱に弱いため60度以上の熱が加わるとたんぱく質分解酵素の効果がなくなります。つまり、生で食べたときのみ有効で、缶詰や熱処理された加工品の場合は効果がありません。
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そのうち、パイナップルとキウイフルーツにも、このクエン酸が含まれています。これらであれば梅干しやレモンと違って酸味も弱く、摂りすぎて塩分過多になることもないので口臭対策としてはうってつけと言えるでしょう。
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