思春期にニキビができる原因は?なぜ10代に多いの?
多くの専門家は『思春期でニキビが多く現れるのは、性ホルモンの乱れにより、皮脂が過剰に分泌されるから』と説明しています。
しかし実際には正確な理由がわかっていません。
Contents|目次
思春期にニキビができるのは、ホルモンバランスの乱れが原因です。ニキビの原因には『皮脂』が大きく関係していますが、その皮脂がホルモンバランスの乱れによって過剰に分泌され、ニキビを作り出してしまうのです。ではここで、ニキビができる原因を見てみましょう。
ニキビができる原因(内因性)
ニキビができる原因(外因性)
その他
ニキビは一つの原因によって発症するわけではないので、このすべての要素を最適化することが求められます。『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
ホルモンバランスの乱れが第一の原因
思春期を迎えた10代のほとんどの人がニキビに悩みます。これは、第二次性徴期を迎えて性ホルモンのバランスが大きく乱れることが原因です。性ホルモンにはアンドロゲン(テストステロン)に代表される男性ホルモン、卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)といった女性ホルモンがありますが、第二次性徴期を迎えると男性ホルモンの分泌が盛んになります。この男性ホルモンの働きによって、皮脂を分泌する皮脂腺が増大し、また皮脂の分泌量も多くなるため、皮膚はどうしても油っぽくなってきます。
では思春期にニキビができる原因と流れをまとめてみましょう。
これが『白ニキビ』ができるまでの流れです。その後、それを放置していると『赤ニキビ』、『ニキビ跡』等に悪化するため、しっかりとその前に予防とケアをすることが求められるわけですね。
どうしてもニキビ跡が消えない人が最後にたどり着く答えとは何か。 – Inquiry. |
では、10代が一番皮脂の分泌量が多いかというと、そうではありません。下記の記事にも書いたように、『におわない人の習慣』にはこうあります。
皮脂の分泌量のピークはじつは30代
ところで『加齢臭』は、何歳くらいから発生するのでしょうか。50歳?60歳?いえいえい、違います。『加齢臭の元となる皮脂の分泌量は、30代がピークなんです。』
年齢別に見るワキガの割合と比率 – Inquiry. |
この本では、『1分間に皮膚1センチ×1センチの範囲で、どのくらいの皮脂が出るのか』というデータを記載しています。
皮膚1センチ×1センチの範囲で1分間に出る皮脂の量
(※単位は1000分の1グラム)
最も皮脂の分泌量が多いのは30代であり、また、40代や50代でも10代の2倍以上の皮脂の分泌量が確認できます。しかし、その年代にニキビが多い人って、あまり見ませんよね。それは一体どういうことなのでしょうか。
『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)にはこうあります。
Q3.いつごろ(何歳)までニキビは続くのですか?思春期でもないのにニキビになるこっとってあるんですか?(43歳女性より)
A.一般に女性では12~13歳ごろからニキビができはじめ、ピークは女性では17~18歳、男性では19~21歳ごろです。このような思春期のニキビはいわば生理的なニキビと考えられ、3~4年で消失する場合がほとんどです。しかし、なかには25歳ぐらいから発症し始める場合や40歳、50歳、まれに70歳代になってみられるニキビも報告されています。
ニキビのピーク
男性 | 19~21歳 |
---|---|
女性 | 17~18歳 |
正直、その確固とした理由を断言している専門家はいません。当サイトもニキビ系だけで20冊以上の専門書がありますが、『最も皮脂の分泌量が多いのは30代なのに、10代がニキビのピークである』という事実に対して明確に説明している人はいません。調べていくと、
等の意見にたどり着き、『思春期でニキビが多く現れるのは、性ホルモンの乱れにより、皮脂が過剰に分泌されるから』という話でまとまっています。
確かに、私は10代の頃あまりニキビがなかったのですが、だからといって性欲がなかったわけではなく、むしろ露出した異性を見ては興奮するという、いたって普通の、血気盛んな少年でした。しかし、30歳前後辺りから、ニキビができることが増えました。その理由は恐らく、
ですね。特に薬の常用がひどく、これによって有害毒素が体内に溜まり、それを排出(デトックス)しきれず、ニキビとなって毒素が体外に出ようとした可能性が高いと判断されます。
私のように、『10代ではあまりできなくても、30代でできはじめる』という人もいるわけで、やはりニキビというものは最初に言ったように、『一つの原因によって発症するわけではない』という事実が存在するようです。
便秘はニキビの原因になる?毒素(宿便)と悪玉菌が与える影響とは – Inquiry. |
したがって、確かにその体臭について考える際にあった『皮脂の分泌量のピークはじつは30代』という事実があっても、なぜか10代の性ホルモンが乱れる(活発化する)時期の方が、ニキビができるという結論になります。
先ほどの『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)には、『皮脂産生の増加とニキビの重症度には相関関係があることは間違いない』としたうえで、こうあります。
皮脂腺の活動とニキビ
(省略)たしかにニキビを有する患者さんでの皮脂分泌は、ニキビは生じない人の皮脂分泌に比べて明らかに多いが、皮脂分泌のみを減少させてもニキビが全て改善されるわけではない。
つまり、『皮脂分泌だけがニキビの原因ではない』ということなんですね。ですから、ほとんどの参考書を開いても、『思春期でニキビが多く現れるのは、性ホルモンの乱れにより、皮脂が過剰に分泌されるから』という主張だけで止めており、それ以上具体的には明言していないということなのです。
例えば、『素肌美人になれる 正しいスキンケア事典 (基本の美容シリーズ)』にはこうあります。
ニキビの出来る理由は複雑
(省略)ニキビは必ずしも皮脂が多いからできるわけではありません。その証拠に、乾燥肌の人でも大人ニキビはできるのです。また、皮脂の少ない頬にだけできる人もいます。
(中略)ニキビの原因を知りたい気持ちはよくわかりますが、あまりにも複雑にからみあっているので、原因を簡単には特定できないケースが多いのです。ニキビが慢性化している人は、スキンケアだけでは治らないことがおおいので、皮膚科で早めに受診してください。
と出てきましたね。したがって、
思春期である10代は30代よりも実は皮脂の分泌量が少ないが、ニキビができる理由は複雑だからして、その時期に性ホルモンが乱れること、皮脂の分泌量が増えること等が原因で、とにかくニキビができやすくなる
としか断言できないということになるのです。
ただ、こんな意見もあります。『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
なお、ニキビは皮脂腺が発達して皮脂の分泌量が増えるためにできてくるものですから、皮脂腺が発達していない子供にはニキビはできません。ただし、新生児挫創といって、生後三か月後ぐらいまでにニキビを発症することがあります。圧倒的に男児に多いという特徴があり、やはり男性ホルモンや黄体ホルモン(母体に由来)が関わっているのではないかとされています。
『皮脂腺が発達していない子供にはニキビができない』と出てきましたね。 どちらにせよ、皮脂だけが原因とは断言できませんが、皮脂の分泌が『急に過剰になる』12~19歳ごろの思春期という時期は、何かと身体がその急激なホルモンの変化に対応しきれないのかもしれません。
ここで注目したいのは、皮脂の分泌量ではなくもう一つの原因、『性ホルモンの乱れ』ですね。『美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)』にはこうあります。
生理前はニキビはできやすく圧壊しやすい
気を付けていても、ニキビができやすい時期というのがあります。たとえば女性なら生理前です。ホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンがニキビの初期症状である角質肥厚に影響したり、黄体ホルモンが皮脂分泌を増やすからです。その結果、この時期にニキビが悪化することも多くなります。
美容皮膚科医が教える 美肌をつくるスキンケア基本ルール (PHPビジュアル実用BOOKS)
生理前にニキビはなぜ出来る?どのように予防と対策をすればいいのか – Inquiry. |
先ほども性ホルモンや黄体ホルモン(母体に由来)が関わっている』と出てきましたね。一度まとめてみましょう。
男性ホルモン
女性ホルモン
です。このうち、皮脂を増やすのは『男性ホルモン(テストステロン)』だとされていて、思春期にはこのホルモンが増加するため、ニキビができやすくなると先ほど出てきました。更に、女性においてはこの黄体ホルモン(プロゲステロン)の増加によっても皮脂を増やすことになります。つまり、
ということになります。 ここまでは皮脂の分泌についての話です。しかし注目したいのは次です。『これでわかるニキビの治療とケア~安易に抗菌薬に頼っていませんか?~』(南江堂)にはこうあります。
また、組織学的な検討で皮脂腺開口部の入り口は生理周期16~20日目に最も狭くなることがわかっている。このことが皮膚の皮膚表面への分泌を減少させ、面皰形成に寄与し、生理前のニキビの増悪に関与しているともみなされている。
この本は専門度が高いので難しく書いてありますが、『生理前後になると、皮脂腺の形に変化が起こり、ニキビができやすい体質になる』可能性があるという見解がなされています。つまり、『ホルモンバランスが乱れることで、皮脂が過剰分泌される』だけではなく、それ以外の部分でも目に見えない変化が起きていて、それがニキビの原因に関与している、ということが推測できるわけです。
そこまで考えると、思春期にニキビができる原因を更にこうまとめることができます。
思春期である10代は30代よりも実は皮脂の分泌量が少ないが、ニキビができる理由は複雑であり、皮脂の分泌だけが関与しているわけではない。ただ、思春期は皮脂の分泌が急激に増え始める時期ということを考えると、ニキビは、その体の急激な変化に対応できずに起きた、一時的な異常現象である可能性がある。
このころのニキビが3~4年で消失するということ、あるいは30代以降の、ニキビの原因である皮脂の分泌量が多い時期に、10代ほどニキビができることが少ない事実を考えても、これは『一時的な異常現象』だと言えるかもしれません。つまり、10代のその時期に、まるで『おたふく風邪』のように一度体験すると免疫力、適応力がついて、それ以降の年齢でニキビができにくくなる、ということなのかもしれません。
おたふくウイルスの感染(唾液もしくは接触)によって起こる。1回かかると生涯にもう1度かかることはない。
もちろん、専門家がそう断言しているわけではないので、あくまでも推測の域を出ませんが、10代とそれ以外の年代の皮脂の分泌量を考えたとき、そういう考え方が頭をよぎることになります。
また、冒頭に書いた『ニキビができる原因』をもう一度見てください。正直、あの内因性も外因性も、思春期であるこの時期にありがちなことばかりですね。この時期、勉強を強要されたり、受験に躍起になったり、あるいは反抗期によって夜更かしをしたり、場合によっては飲酒や喫煙をする人もいるでしょう。活性酸素ですね。
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自我の発達により、家庭環境や教育、生きる意味について葛藤し始め、それが人をセンシティブ(感傷的)にさせ、何かと傷つきやすくなります。小学生の頃はほとんどなかったはずの、人間関係での悩みも増えます。異性に興味も持ち始めます。それが心に何らかのストレスを与えます。
そして、肌に合わない化粧品の使用はどうでしょうか。私などは、学生時代よく『スクラブ入りの洗顔フォーム』が好きでしたが、今考えたらあり得ないことですね。そんなもので肌をゴシゴシ洗ったら、皮膚がダメージを負い、あらゆる肌トラブルの原因となります。
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皮脂や汗などの皮膚の汚れなどはどうでしょうか。私は小学生の頃、謎の『歯磨きを数か月しないでも大丈夫な男』を演じていました。実際、1,2か月歯を磨かなくても虫歯にはならなかったので、そのままにしていたのです。しかし、見事に虫歯になりましたね。そのときに入れた銀歯は、今でも奥歯に詰まっています。
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偏った食生活もそうですね。まだ給食があるからいいのですが、このあたりからお菓子を自分の意志で食べるようになったり、あるいはインスタント食品等に手を出すことも増えます。インスタント食品やファーストフードで子供だけで食事をする。この時期は、それが贅沢であり、大人の仲間入りができた気がして、必要以上に乱用してしまうことがあります。
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『毎日カレーでもいい』、『毎日マクドナルドでもいい』等の発想も頭をよぎりますし、街に出てクレープを食べるだけでも最高の娯楽となります。先ほどの『無知な洗顔』同様、この時期で『体にいい健康的な食事』を自らピックアップできる人はごくごく稀であり、ほぼいません。
『医師によるニキビ・ニキビ跡・毛穴の開き完全治療マニュアル―ニキビは皮膚病の一種です!!』にはこうあります。
偏った食習慣は肌トラブルを招く
チョコレートやスナック菓子をつい食べすぎて、ニキビができてしまったという人は多いことでしょう。脂肪分や糖分は、皮脂の材料となります。つまり、過剰な脂肪分や糖分によって、皮脂の分泌量が増えるのです。また、脂肪分や糖分は、皮脂の性質を変化させて、皮脂を皮膚の外に排出しにくくしてしまうこともわかっています。つまり、毛穴に皮脂がつまる原因になるのです。
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三島由紀夫は言いました。
まだまだ人生に対して全くの無知であり、しかし自我が成長し始めるこの時期は、何かと間違いを起こしやすい時期と言えます。
の5大要素を完ぺきに最適化できるわけもなく、
等の問題も、確実にこなせるわけではありません。だとすると、たくさんの誤謬があります。
間違った決断。
こういった事実も、思春期にニキビができやすいという事実に、影響していると言えるでしょう。だとすると、30代以降でその誤謬が減ってくる事実と、思春期だけにニキビが多く見られる事実ともつじつまが合います。ただ、現在のところの結論としては『ニキビができる原因は複雑』だとしか明言できません。ここに書いたすべての要素が関与していることは間違いないということだけですね。
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ただ、上記の記事に書いた、
の話を見てみましょう。上の二つの人々は『ニキビとは無縁』の人生を生きていて、アーミッシュの人にはアレルギーがありません。それは一体どういうことなのでしょうか。思春期も何も、もともとニキビとは無縁の人生を生きる人々がいるのです。