『唾液の分泌を促すツボ』って?
人間の顔には以下の3つの唾液腺があります。
- 耳下腺
- 顎下腺
- 舌下腺
この『唾液の分泌を促すツボ』を刺激し、唾液を促せば口臭対策ができます。
先生
ハニワくん
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唾液が出ないと口臭が出る
唾液が出ないと口臭が出るというのは、下記の記事に書きました。
ですから、
無口になる
睡眠中
ストレスを負った時
このような状況では唾液が出ないか、あるいは『ネバネバ唾液』になるために口臭が出るわけです。『脳卒中・がん・肌の老化予防から、誤えん性肺炎まで 唾液サラネバ健康法』にはこうあります。
ネバネバ唾液とサラサラ唾液の違い
(省略)交感神経からのシグナルが強いと、ネバネバの唾液が分泌されます。一方、副交感神経からのシグナルが強いと、サラサラになります。交感神経のシグナルが強くなるのは、主に緊張したりストレス負荷がかかったりするときで、唾液中のネバネバ成分であるムチンという糖たんぱく質の含有量が増えます。同時に、IgAなどの抗菌作用の高い成分の含有量も増加します。
- 交感神経が優位になる
- 口周りの筋肉が衰える
- 舌や口周りの筋肉を使わない
主にこの3つのポイントが唾液が出ない原因です。したがってこれらの状況をなるべくさけるように心掛ける必要があります。副交感神経が優位になり、口周りの筋肉を動かすことを意識するのです。
自律神経や環境によって口の中に起きる変化
繁殖する菌 | 分泌される唾液 | ニオイ | |
---|---|---|---|
交感神経優位 | 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 | ネバネバ唾液(粘液性唾液) | する |
副交感神経優位 | 善玉菌。好気性菌脂臭 | サラサラ唾液(漿液性唾液) | しない |
- 交感神経が優位=緊張、不安
- 副交感神経が優位=リラックス
ですから、リラックスをして、無口にならずによくしゃべることが必要ということですね。睡眠中は口を閉じて寝ていので唾液が分泌されず、酸素を嫌う嫌気性菌(悪玉菌)が繁殖しだし、唾液をネバネバにし、口臭を発生させるのです。
就寝前と起床時にはその対策として、うがいと歯磨きが欠かせないことがわかります。
また、各記事にも書いたように、
- ガム
- だし昆布
を使って唾液を出す方法もあります。その際、マスクを使えば口の中の動きはごまかすことができるので、状況次第でマスクは有効になります。
また下記の記事に書いたように、
- 舌回し
- 舌体操
- 食いしばり運動
- ひょっとこ運動
これらの運動によって口周りの筋肉を強化し、唾液の分泌を促すこともできます。対策は色々ありますね。
先生
ハニワくん
- 唾液が出ないと口臭が出る。
- 口周りの筋肉を強化し、唾液の分泌を促すことができる。
唾液の分泌を促すツボとは
今回のテーマは『唾液の分泌を促すツボ』です。これも専門家が推奨する方法ですので、参考になるでしょう。『体の不調は「唾液」を増やして解消する』には『3つの唾液腺を押さえるべし』として、以下の3つの唾液腺を挙げています。
- 耳下腺
- 顎下腺
- 舌下腺
基本的に『唾液の分泌を促すツボ』はここで、ここを刺激するマッサージが各専門書で紹介されています。まず耳下腺ですが、これに関しては動画があります。
唾液腺炎、耳下腺炎/ミルメディカル 家庭の医学 動画版
耳下腺
唇を閉じた状態で、舌でほっぺたを舐めます。奥から2~3番目の付近の歯のほっぺたの横に、やわらかい少し突起したもの(直径2~3㎝)を舌の先で感じることができます。これが耳下腺です。ここから全唾液の25%が出て、しかも出る唾液はサラサラ唾液です。ちなみに動画にもありますが、おたふく風邪は、この耳下腺が炎症を起こしたものです。
顎下腺
顎下腺は、唾液が一番出るところで、70%の唾液が出ます。舌を上に上げて、美味しいものやすっぱいものを想像すると、唾液が出てきますが、そこが顎下腺です。ほとんどがサラサラですが、ネバネバ唾液も多少出ます。
舌下腺
舌下腺は3つの中では一番小さくて、舌の裏側の付け根にあります。ここから出るのはネバネバ唾液です。その他にも実は数百個の小唾液腺があるのですが、この3つが主な唾液腺となります。
主な唾液腺の概要
場所 | 唾液の量 | 唾液の質 | |
---|---|---|---|
耳下腺 | 奥から2~3番目の付近のほっぺたの歯の横 | 25% | サラサラ |
顎下腺 | 顎付近 | 70% | サラサラ(少しネバネバ) |
舌下腺 | 舌の裏側の付け根 | – | ネバネバ |
舌下腺から出るのはネバネバ唾液ですから、ニオイの原因となるため分泌させない方がいいと思うかもしれませんが、専門家はこのすべての唾液が大事だと言うので、この3つの刺激が必要になります。
先生
ハニワくん
- 『唾液の分泌を促すツボ』をすべて刺激することが大事。
ネバネバ唾液の成分『ムチン』の役割
そもそもそのネバネバ唾液も、成分は『ムチン』ですからね。
ムチンの役割
- 食物をやわらかくしたり、食道の表面について飲み込みやすくしたりする
- 口の中や食道などの粘膜に付着して表面をコートし、細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ
- 逆流性食道炎の予防に貢献している
- 胃、腸、鼻、膣の表面に付着し、各部位の粘膜を守る
- IgAと連携することで強固な抗菌機能を保つ
また、『脳卒中・がん・肌の老化予防から、誤えん性肺炎まで 唾液サラネバ健康法』にはこうあります。
唾液のネバネバ成分を増やすには?
唾液のネバネバ成分であるムチンは『水溶性繊維』を多く摂ると分泌されやすくなります。水溶性繊維とは、シイタケ、海藻、こんにゃくなどに多く含まれる水に溶ける繊維のことをいいます。
(中略)これらの食物繊維の摂取はIgAの分泌量も増やします。粘膜を保護するムチンと最近の繁殖を阻止するIgAの2つの成分が互いに連携することで、悪い細菌の侵入を防いでくれます。唾液のネバネバは免疫力の源です。
- シイタケ
- 海藻
- こんにゃく
- とうもろこし
- 根菜類
等の摂取によって、ネバネバ成分であるムチンを増やすことができます。またこれら食物繊維は、『IgA』という唾液腺でつくられる免疫系の要を増やすことにもつながります。ネバネバ唾液はこのように『ニオイの原因』でもあるし、『免疫力の源』でもあるのです。
例えば、納豆は臭いですが、体にいいですよね。ニオイがあるものが必ずしも最悪のケースを招くわけではないのです。このような理由から、ネバネバ唾液を出す『舌下腺』の刺激も必要になるのです。
先生
ハニワくん
- ネバネバ唾液は『ニオイの原因』でもあるし、『免疫力の源』でもある。
唾液の量は年齢には関係ない
唾液というのは『血液』から作られるので、体内に血がある以上は、唾液を分泌させることができるということになります。ですから、よく高齢者はドライマウスになると言いますが、実際には唾液の量は年齢には関係ありません。高齢になると『その他の理由』で唾液の分泌量が減るだけなのです。例えば、
- 咀嚼回数が減る
- 口周りの筋肉が衰える
- 薬をよく飲む
- 病気になる
ですね。このような条件が揃えばそれは老人じゃなくても、唾液の分泌量は減ってしまいます。『高齢者のドライマウス 口腔乾燥症・口腔ケアの基礎知識』にはこうあります。
唾液腺、腺組織の変化
加齢に伴い、唾液腺には腺房細胞の萎縮、腺実質の脂肪細胞への置換、間質の繊維化などがみられます。一般的にはこのような退行性変化により、唾液の分泌量は減少すると考えられています。なお、口腔内科学会では、80歳ぐらいに加齢性のドライマウスが生じるとされています。
さすがに80歳ほどの高齢になると、体のあらゆる部分が老化していますから、唾液の分泌量も含めた様々な能力は衰えてくるかもしれませんが、唾液の専門家から言わせると、しっかりと条件さえそろえて、トレーニングさえすれば唾液の分泌量は減らないと言います。
『体の不調は「唾液」を増やして解消する』にはこうあります。
なぜそう言えるのかというと、元気な高齢者は、唾液がたくさん出ているからです。どういうときに一番そう感じるかというと、入れ歯をつくったときなのです。
として、確かにその実感を得ているようです。
先生
ハニワくん
- 唾液というのは『血液』から作られるので、体内に血がある以上は、分泌させることができるため、唾液の量は年齢には関係ない。
- 元気な高齢者は、唾液がたくさん出ている。
唾液の量はマッサージ等によっても増やせる
さて、そのような理由からも、唾液の量はマッサージ等によっても増やすことができるのです。そして、以下の3つの参考書では、同じマッサージを紹介しています。
気になる「臭い」がみるみる消える100のコツ―ワキ、足、口の臭いから生活臭、服の臭いまですっきり
それは、『唾液腺マッサージ』です。それは先ほどの3つの唾液腺を優しく押したりして、マッサージする方法ですね。
1.耳下腺
指の腹側でクルクルとマッサージ。
2.顎下腺
指で優しく押す。
3.舌下腺
両手の親指を入れて上に押す。
ポイントとしては、化粧品を顔に塗る感じではなく、顔に少し圧を加え、筋肉を動かすイメージで行うこと。また、痛みが出ないようにすることです。これについては動画がありますので、そちらで確認していただいた方がわかりやすいでしょう。
唾液腺のマッサージ
ただ、『唾液腺の分泌をつながすツボ』というテーマで考えると、ピンポイントの話があります。それは、『口そう点(こうそうてん)』と呼ばれる、手の平の中指にあるツボを押す方法です。
手の平を出し、中指の付け根を見ます。その付け根の線がありますね。そこがこの『口そう点』です。それを押すと唾液の分泌が促されます。親指で5秒ほど押し込み、これを10回ほど繰り返すといいでしょう。
唾液の分泌量を少なくするツボ
また逆に、唾液の分泌量を少なくするツボもあります。それは、
- 中泉(ちゅうせん)
- 外関(がいかん)
と呼ばれるツボです。これは腕にあります。手の甲を出すと、はじっこに『くるぶし』のような骨の突起がありますが、そのラインのちょうど真ん中あたりです。外関は動画があります。
ツボ外関 (がいかん)|せんねん灸公式
妊婦さんの中には、つわりのときなどに唾液が出すぎて困るというケースがありますから、こういう方法が紹介されているわけですね。
先生
ハニワくん
- 唾液の量はマッサージ等によっても増やせる。
ツボ押し等をしても唾液が出ない状況とは
さて、以上が唾液に関するツボやマッサージについての情報ですが、先ほど挙げた『唾液が出ない3つのポイント』以外にも唾液が出ない状況があります。それは、
- 耳鼻科的疾患
- 内科的疾患
- 口呼吸
- 薬の常飲
等です。それぞれの詳細については下記の記事に書きましたが、
例えば薬の常飲であれば『もう、口臭で悩まない!』にはこうあります。
薬そのものに悪臭成分がない場合でも、薬の副作用として唾液分泌を阻害することが多いために口腔内乾燥が起こり、呼気臭のみならず口腔内からの口臭も起こりやすくなります。
また、少し専門的になりますが、『高齢者のドライマウス 口腔乾燥症・口腔ケアの基礎知識』にはこうあります。
アセチルコリンがムスカリン受容体に結合するのを防ぐのが抗コリン薬で、唾液腺だけでなく涙腺、汗腺に影響を与え、唾液、涙液、汗の分泌を抑制する、数が多くなると抑制しやすくなる。
つまり抗コリン薬は唾液だけじゃなく、汗や涙などの分泌も抑えてしまうわけですね。その『抗コリン作用を有する薬剤』に関しては、先ほどのドライマウスの記事に例を挙げていますので、併せてご確認ください。
つまり、このような条件がそろっている場合、いくらツボを押しても、唾液腺マッサージをしても根本解決にはなりません。水道の蛇口自体が閉まっているのに、ホース噴射部分のスイッチをいくら『ON』にしても水は出ないように、その場しのぎの解決ではなく、根本解決に目を向けることが大事ですね。
先生
ハニワくん
- ツボ押し等をしても唾液が出ない状況もある。
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