フッ素で虫歯を予防して口臭対策ができる?
はい。
虫歯は歯に穴が空く病気ですが、その歯や穴にプラークが溜まるとニオイが出ます。更に、虫歯が悪化して2次カリエスの状態になるとイオウのようなニオイが出ます。したがって、虫歯になると口臭が出るということになります。歯のエナメル質にフッ素を作用させると、酸に強いエナメル質に変化して歯を虫歯菌から守ってくれますので、フッ素歯磨きは口臭対策になると言えます。
ただ、フッ素の働きを最大限に活用するにはコツがあって、歯にフッ素を長く停滞させなければなりません。基本的に歯磨き粉は必要ないと言う医師もいますので、フッ素は『使いこなせる人』が使うのがいいでしょう。
先生
ハニワくん
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フッ素が何に効くの?
上記の記事に書きましたが、『フッ素入り歯磨き剤などでエナメル質を強化』することを推奨する専門家は大勢います。『図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法』にはこうあります。
歯磨き剤の選び方1 フッ素配合が基本
ドラッグストアにはさまざまな効能をうたった歯磨き剤が並んでいますが、いずれも『フッ素配合』のものを選ぶのが基本です。歯のエナメル質にフッ素を作用させると、酸に強いエナメル質に変化して、歯を虫歯菌から守ってくれます。
『歯のエナメル質にフッ素を作用させると、酸に強いエナメル質に変化する』んですね。これは心強いことです。記事に書いた王に、酸によってエナメル質が溶かされるからバリア機能を失って、着色汚れや、プラークを付着させてニオイの原因を作ってしまうわけですからね。
虫歯になる流れ
虫歯になる流れを見てみましょう。
もう一つの流れがこうですね。
ポイントは、
- ミュースタンス菌
- よく噛んで食べる
です。つまり、『大きめに切られた』、『和食等の甘さを控えた健康的な食事』を、『よく噛んで食べる』ことで歯に余計な物質が付着するのを防ぎ、たっぷりと唾液を出して歯の状態を『中性』に戻して『再石灰化』させて歯の修復をすることで、虫歯を予防できるのです。
虫歯も悪化すると口臭が出る
また、『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学 (光文社新書)』にはこうあります。
イオウのようなニオイ う蝕=虫歯
(省略)虫歯は、小さなものではそんなににおうことはないが、進行して神経まで侵されたり、詰め物の奥が虫歯になる2次カリエスの状態になると、においが起こるようになる。イオウのようなニオイがする。
ですから、虫歯になると穴が空いた場所にプラークが入り込んで口臭の原因となるし、虫歯を進行してしまうと更にニオイを発生させ、口臭の原因となるので踏んだり蹴ったりなのです。
フッ素が酸性に傾いた口の中を中性に戻し、歯の再石灰化を促す
『口元美人化計画』にはこうあります。
フッ素は、歯の表面でフッ化カルシウムを生成し、食事によって口の中が酸性になったときにカルシウムを放出します。このことによって、脱灰の抑制とpHが回復したときに再石灰化を促進します。また、フッ素には抗菌作用がありますから、虫歯菌の作用が期待できます。
そして、歯のエナメル質の96%はハイドロキシアパタイトという結晶でできており、水晶より硬いので我々はなんでもおいしく食べることができるのですが、ハイドロキシアパタイトは酸には弱いのです。このハイドロキシアパタイトにフッ素が作用すると、フルオロアパタイトという酸に強い結晶に変わります。また、ごくわずかに存在するハイドロキシアパタイトの結晶の欠落部分をフッ素が補修するといわれています。
またこのフッ素の力によって、酸性に傾いた口の中を中性に戻したり、歯の再石灰化を促し、初期の虫歯なら修復できる場合もあります。つまりこういうことですね。
このような流れで、フッ素は酸に強い歯を作るわけです。
先生
ハニワくん
- 『フッ素入り歯磨き剤などでエナメル質を強化』することを推奨する専門家は大勢いる。
- 虫歯も悪化すると口臭が出る。
- フッ素が酸性に傾いた口の中を中性に戻し、歯の再石灰化を促す。
どのフッ素を使えばいいか
日本の歯磨き剤に使われているフッ素は、
- フッ化ナトリウム
- モノフルオロリン酸ナトリウム
- フッ化第一スズ
と種類がありますが、『フッ化第一スズ』は歯科医師が使えるものですから、市販であれば『フッ化ナトリウム』配合のものがより効果的です。例えば以下のような商品ですね。
フッ素の効能
- 歯のエナメル質を強化する
- 酸性に傾いた口の中を中和する
- 歯の再石灰化を促進する
- 初期の虫歯なら修復できる場合もある
フッ素ジェル、フッ素入りの洗口液とは
また『図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法』にはこうあります。
家庭で使えるフッ素入りアイテムとしては、フッ素入り歯磨きが基本ですが、歯科では歯磨きのあとに歯に塗るフッ素ジェルも販売しています。最近ではフッ素入りの洗口液もあるので、歯科医院で相談してみましょう。
フッ素ジェル、フッ素入りの洗口液とは、例えば下記のようなものですね。
先生
ハニワくん
歯磨き粉に含まれるフッ素は微量だから意味がない?
このフッ素歯磨きに対して、『歯磨き粉に含まれるフッ素は微量だからあまり意味がない』と言う人もいます。しかし『口元美人化計画』にはこうあります。
実は猛毒!フッ素の弊害と副作用
たしかにフッ素は公衆衛生的には効果があります。というより、そのような研究報告が意図的になされていました。”公衆衛生的”というのは、たとえば、東京都○○区の小学生全員、というようなある集団に対して、フッ素の塗布やフッ素水のうがい、あるいは水道水にフッ素を添加したら、○○%虫歯が減りました、というようなことです。実は個人にフッ素を塗布したら、虫歯が減りました、という報告はないのです。
(中略)そして恐ろしいことに、フッ素を摂りすぎるといろいろな弊害があります。ひとつには『斑状菌』です。日本には、井戸水にフッ素が多く含まれる地域があり、そこでは虫歯は減るのですが、斑状菌は増加します。斑状菌とは、歯の表面に白い斑点がたくさんあるような状態の歯で、別名『歯腐れ病』とも言われ、進行すると非常に見た目が悪くなります。また、もし斑状菌が虫歯になると、治療が困難で抜歯を余儀なくされる場合すらあります。
本ではフッ素を摂りすぎた弊害として、
- 斑状菌の繁殖
- 骨の発育異常
- 骨折率の増加
- ダウン症
- がん
- 老人性痴呆
などの副作用を例に挙げています。フッ素は殺鼠剤の主原料として使われることもあるので、一長一短があるのです。
ですから、WHO(世界保健機構)はかつて、虫歯予防のために水道水へのフッ素の添加を推奨していて、それに従った国は40か国以上あった時期もあったのですが、すでにその数は半分に減っています。WHO自体、1994年に方向転換し、
- 6歳以下の子供へのフッ素洗口は強く禁止する
という新しい見解を出しました。それに伴い、
- スウェーデン
- ドイツ
- オランダ
等ではフッ素の使用を中止したのです。したがって、歯磨き粉に含まれる『微量(低濃度)なフッ素』で十分なのです。フッ素の量も濃度も、多すぎたり濃すぎることは逆に毒になるわけですね。
先生
ハニワくん
どのフッ素を使えばいいか
低濃度であれば、危険よりもむしろ有効
これについては『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学 (光文社新書)』にはこうあります。
フッ素について 是か、非か
(省略)しかし、過剰なフッ素による慢性の中毒であるフッ素症や、様々な疾患の可能性が報告され、フッ素反対派と推進派が戦っているのが現状だ。そもそもっそは自然界に存在し、いろいろな食品や、フッ素を含む農薬を使った野菜、加工肉にも多く含まれている。だから複合的な問題であって、歯磨き粉や水だけに目くじらを立てるのも賢明ではない。
公衆衛生的には、過剰な投与でなければ、安全で有効としているし、日本の歯磨き粉も、安全なフッ素濃度を保っている。WHOは、飲料水に置いて、安全とされる濃度にフッ素(フッ化物)をコントロールし、これを飲むことで虫歯を予防する『フロリデーション』を勧めている。日本の厚生労働省も、それを普及させたいと思っている。低濃度であれば、危険よりもむしろ有効というのがメジャーな意見だ。
大体の情報は一緒ですが、違うのは『WHOは、飲料水に置いて、安全とされる濃度にフッ素(フッ化物)をコントロールし、これを飲むことで虫歯を予防する『フロリデーション』を勧めている。日本の厚生労働省も、それを普及させたいと思っている。』というところですね。
先ほどWHOは、1994年に方向転換したとありました。そして水道水にフッ素を入れる国も半数に減ったと。この二つの本の出版日は、前者が2014年、後者が2018年ですから、むしろこの本の方が新しい情報が載っているはずです。ジャケットや内容的には真面目に書かれている後者の方が信憑性がある気がするのですが、案外読んでみると、前者の本も説得力がある内容が多く書かれています。
真偽はさておき、『低濃度であれば、危険よりもむしろ有効』というところは一致していますね。とにかくフッ素はその扱い方に注意する必要があるようです。またこの本でもフッ素のデメリットとして、
- 松果体の機能低下
を挙げています。結論として、『フッ素は虫歯予防に効果的なのは確かなのだから、飲用というより洗口に使うのがよいのではないか』とまとめていますが、とにかくフッ素は、『低濃度のものを少量、歯の健康として使う』ためなら、有効になると言えそうですね。
先生
ハニワくん
フッ素の働きを最大限に活用するには
ただ、『よくわかる家庭の歯学―歯磨き、歯周病予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで』にはこうあります。
フッ素効果の高め方
(省略)ただし、フッ素の働きを最大限に活用するには、歯にフッ素を長く停滞させなければならず、歯磨き粉の中に研磨剤などと一緒に入ったフッ素では、うがいをすることによってフッ素も流れ落ちてしまうので、フッ素の効果を最大限に求めるのならば、フッ素だけの歯磨き粉で、それに応じた方法で使用しなければなりません。ですから、使用上の注意などを歯科医院で聞いてから使用する方が、より効果的でしょう。
つまりこういうことです。
フッ素が虫歯を予防するのは間違いないようです。しかし、その使い方にはコツがあり、扱い方を間違えると毒になるわけです。各専門書にも『フッ素依存はやめよう』とありますが、 もしかしたらいっそのこと歯磨き粉自体をやめてしまった方がいいかもしれませんね。
先生
ハニワくん
- フッ素は市販であれば『フッ化ナトリウム』配合のものがより効果的。
- フッ素ジェル、フッ素入りの洗口液も有効。
- フッ素を使って積極的に実験をしたが、それによって虫歯が減ったという報告はない。
- フッ素を摂りすぎると虫歯は減るが斑状菌は増える。
- 6歳以下の子供へのフッ素洗口は危険。
- したがって、歯磨き粉に含まれるフッ素は微量だからこそいい。
- とにかくフッ素は、『低濃度のものを少量、歯の健康として使う』ためなら、有効。フッ素の働きを最大限に活用するにはコツがいる。
歯磨き粉は本当にいるのか
『歯周病を自分で治す本 (ビタミン文庫)』にはこうあります。
歯磨き剤は基本的に必要なし
歯磨き剤はいろいろな製品が市販されていますが、基本的にはあまりつける必要はありません。合成の界面活性剤を配合しているものが多いのですが、毎日使うものなので、体にはよくないでしょう。また、歯周病用とうたった歯磨き剤や、生薬(漢方薬の原材料)を配合した製品もありますが、たいていは化学薬品も配合されており、実際にまあり役に立つとは思えません。
下記の記事に書いたように、
私は電動歯ブラシを使っていた時期があるのですが、どうも電動歯ブラシだと磨き残しが気になって、違和感を覚えていました。そして歯医者に、『電動歯ブラシと普通の歯ブラシどっちがいいの?』と聞くと、歯医者は『どっちも使った方がいい』と答えました。歯の健康を保つためには『面倒なことを面倒と思わずにしっかりと行うことが大事』だということだったんですね。これが今回の問題のキーワードになります。
それから私は歯医者に一度も行っていませんが、その理由は、
- 歯ブラシ
- 歯の磨き方
を変えたからだと考えています。私は『歯磨き粉』を使うのをやめ、『素磨き』をするようになり、歯ブラシも電動ではなく、『コンパクト、やわらかめ』のタイプのものを使うようになりました。そっちの方が歯の一つ一つを丁寧に磨けるからですね。無意識にこのようなタイプの歯ブラシを選択していました。記事に、
- 正しい歯ブラシ
- 正しい歯の磨き方(動画あり)
- 歯磨き粉(デンタルペースト)について
を記載していますので、そちらの記事でそれらの詳細をご確認ください。その時歯医者に聞いたのは、『歯を舌で触って、ザラザラしていたらそれは歯垢』という情報です。ですからそれ以来私は、『コンパクト歯ブラシ』で『素磨き』をして、舌で歯を舐めまわしてざらつきがないかどうかチェックし、ツルツルになるまで歯を磨くように意識してきました。私はそれ以来、10年以上歯医者に行っていません。
歯医者さんと親密な方はフッ素の使い方を教えてもらえばいいのですが、そうじゃない人は、フッ素や歯磨き粉依存体質になって、最も重要な『入念なプラークコントロール』をおろそかにしてしまうリスクを考えると、『素磨き』をした方が虫歯対策になるかもしれません。
先生
ハニワくん
- 歯磨き粉や電動歯ブラシを使うと、歯磨き自体がおろそかになる可能性がある。
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