早食いする人は口臭がある?
一概には言えません。
しかし、早食いする人は『よく噛んで食べていない』可能性があり、それが口周りの筋肉の衰えにつながって、唾液の分泌量が低下すると、口臭の原因となります。
Contents|目次
早食いをする癖がある人は口臭が出やすくなる傾向は確かにあります。ただ、早食いをしただけで口臭が出るわけではありません。早食いの人は大勢いますからね。例えばテレビで出ている大食いの人、そういう人たちも時間制限内に早食いをしますよね。例えば下記の動画はyoutuberの『水溜まりボンド』さんと『はじめしゃちょー』さんの早食い動画です。
ビッグマックのセットを早食いしたらバケモノすぎる記録出たwww
案の定ペヤング超超超大盛りGIGAMAX早食い対決!
では、この早食いをした人たちは皆口臭があるのかと言えば、そういうことではありません。つまり、『早食いをすると口臭が出る』ということではないのです。また、『木下ゆうか』さんのように大食いの人はどうでしょうか。『たまご×20とごはん8合の卵かけごはん』を食べている動画を見てみましょう。
【大食い】もちもちたまご×20とごはん8合でたまごかけごはん!【木下ゆうか】
正直この量をこの時間で食べるということは『早食い』ですよね。しかしこのタイプの早食いも、口臭を出しやすくなるということではありません。むしろこのタイプの大食いであれば、食事による口臭は出づらいかもしれません。
どういうことでしょうか。早食いの人に口臭が出やすい傾向があり、大食いの人であれば口臭は出づらい傾向があるというのは。その答えは、『咀嚼』にあります。咀嚼をどれだけしっかりしているかということがここで求められているのです。
『脳卒中・がん・肌の老化予防から、誤えん性肺炎まで 唾液サラネバ健康法』にはこうあります。
大きめに切った食物を食べる
よく噛んで食べること(咀嚼)は表情筋の発達を促すので、自然に唾液腺をマッサージをしていることにもなり、唾液量そのものも増えていきます。
唾液の量が増えればそれだけ口臭を抑えることにつながりますから、よく噛んで食べることが重要だったんですね。
口臭と唾液の量はどう関係している?ネバネバ唾液とサラサラ唾液 – Inquiry. |
水分や唾液がなくなったり、交感神経が優位になるとネバネバ唾液になり、酸素を嫌う嫌気性菌(悪玉菌)が増えて、それがニオイを発生させるのです。
自律神経や環境によって口の中に起きる変化
繁殖する菌 | 分泌される唾液 | ニオイ | |
---|---|---|---|
交感神経優位 | 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 | ネバネバ唾液(粘液性唾液) | する |
副交感神経優位 | 善玉菌。好気性菌脂臭 | サラサラ唾液(漿液性唾液) | しない |
ストレスや自律神経の乱れ、そして冷えも口臭の原因だった! – Inquiry. |
加齢・病気・薬の常飲等で起きるドライマウスは口臭の原因! – Inquiry. |
よく、『30回以上噛もう』などと推奨されますが、この本はそれよりも、『大きめの食物を噛む』ということを推奨しています。料理の際に食物を大きめに切り、噛み応えをよくすれば自然とよく噛んで食べるようになりますから、口周りの筋肉が鍛えられ、唾液の分泌が促されるようになるわけですね。とくに虫歯になりやすい人などに推奨される方法です。
等の硬めのものを食べるのも口周りの筋肉の強化に役立ちます。例えば下記の『口臭セルフチェック』の記事にも書きましたが、以下のセルフチェックにも『よく噛まないで食べる』とありますね。
口臭チェックリスト(ひとつでも当てはまる項目があれば要注意)
このうちのほとんどが『唾液の減少』が起きている状態です。『硬いものよりやわらかいものが好き』なんかも今回のテーマと同じものですね。このような食事の仕方をしていると口周りの筋肉が衰え、唾液分泌の低下に繋がるわけです。
口臭・口臭症・自臭症を自分で測る方法(セルフチェック)!自分のニオイを確認しよう – Inquiry. |
『体の不調は「唾液」を増やして解消する』にはこうあります。
咀嚼回数
卑弥呼の時代(弥生時代)と現代の咀嚼回数と食事時間を調べるという研究が元神奈川歯科大学の斎藤滋教授のもとでなされました。斎藤先生によれば、現代人の咀嚼回数は弥生時代の6分の1、食事時間は5分の1に激減しているそうです。戦前と比べても、それぞれ半分以下に減っていることがわかったそうです。人類史始まって以来、ものすごい勢いで噛む回数が減り、食事時間が短くなっているのです。
口は臓器なので、小食になると胃が小さくなるように、口も小さくなります。顎も小さくなり、歯の本数も減り、唾液の分泌も少なくなります。ここで美容に興味がある人、あるいは顔にコンプレックスがある人が、短絡的な解釈として、
え!それで顔が小さくなるの?
と思うかもしれませんが、木を見て森を見ずです。それと代償に失うものがなんなのかを想像しきれていないだけですね。まず、バランスが悪くなりますから。パーツというものは一つだけ小さくなっても美しく仕上がりません。
「インクレディブル・ファミリー」 日本版予告 第2弾 (2018年)
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』予告3(3月8日公開)
『腰痛・肩こりが治るシンメトリーの法則 このアプローチで脳幹が活性化する』にはこうあります。
人間の身体はシンメトリー(左右対称)構造
(省略)私たち人間の場合、シンメトリー状態の身体には特別の意味があります。脳や神経系も含めて、いかに調和がとれて発達しているかの目安。これが人間の身体がシンメトリー状態であることの意味です。つまり、体の構造がシンメトリーであるかどうかによって、性能(身体能力)がわかるということです。
片方のワキだけがワキガ臭がするということはある?その原因と対策とは – Inquiry. |
重要なのはバランスであり、いかに調和がとれているかということ。つまり、一部分だけが特別に小さくなったところで、見た目的にも機能的にも、優れたものにはなりません。例えば上記の記事に書いたように、本にはこうもあります。
皮膚上のバクテリア(細菌)が皮脂を分解して増殖すると、臭くなります。これは免疫力が弱い証拠です。免疫力とシンメトリーは、大いに関係があるのです。
つまり体のどこかにバランスが悪い部分があると、それだけで免疫力が下がり、体臭が出てしまう可能性があるのです。
それに、『唾液の分泌量が減るから口臭が出る』とありましたよね。したがって、体のバランスを崩し、機能を低下させることは、百歩譲って奇跡的に見た目が自分の理想に近づいたとしても、リスクの大きいことなのです。
『体の不調は「唾液」を増やして解消する』では、唾液の分泌量がここまで激減してしまった理由を3つ挙げています。
この根底にあるのはやはり『咀嚼』なのです。よく噛んで食べることが減り、口周りの筋肉が衰え、唾液の分泌量の低下に繋がれば、結果的にネバネバ唾液が出やすくなり、『ニオイを出す細菌』が増え、口臭が出やすくなるということなのです。
そう考えると、先ほどの『木下ゆうか』さんの『卵かけご飯』はだめですね。私もよく食べますが、あれは『かきこむ』ような食べ方ができますから、よく噛んで食べることができません。ただ彼女の場合は食べているのはあれだけではありませんからね。下記のような噛み応えのあるものも食べています。
【大食い】[メキシカン]トマホークステーキ5キロに挑戦![15000kcal]【木下ゆうか】
基本的に彼女は食事を楽しんで食べることに重きを置いているので、美味しそうに、モグモグとよく噛んで食べているのが見受けられます。それに、食べる量が多いですから。そういう風に『大食い』であれば、結果的に『噛む回数』は増え、口周りの筋肉を鍛えることができます。
また食事中の飲み物ですが、水やお茶で噛まずに食事を流し込むのが当たり前になったのも最近のことでしょう。まず戦前、戦後になると、食事にお茶などの飲み物が必ずついていくるということはないわけです。もちろん水筒もあるし、飲み物はあったでしょうが、今ほど必ずあったわけではありません。
今ではドリンクバーで好きなだけ飲みもの飲めて、浄水器やウォーターサーバーがあり、自動販売機があります。コンビニ、ファーストフードができたのもここ最近ですよね。戦後を生きる人々は、常に気軽に飲食ができる時代に生まれたのです。
するとやはり怠慢の心が生まれます。あるのが当たり前だと思って、ものを粗末に扱い始めます。飲食に関しても感謝の気持ちなど覚えることができません。かつての人々のように食を大切に考えられる人は激減したのです。
『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』にはこうあります。
農耕社会に移行すると、米を中心とする社会が構築され、稲作文化と神道が発展した。神道の起源は自然発生的で、縄文時代にその原型はあったと考えられるが、農耕社会と一体になったことで、神道は日本人の生活と心を一つに束ねる役割を果たす。
古来、日本人にとって食事をすること自体が神事だった。食事は神からの贈り物で、料理はいったん神に供え、祈りをささげてから、お下がりとしていただくものだった。料理そのものがすでに神なのである。したがって食事をすることで、神と人が一体になると考えられてきた。
(中略)そして『いただきます』という言葉は、もともと『あなたの命をいただきます』という意味である。人が生きていくためには、動植物の命を摂取し続けなくてはならない。日本人は恐らく縄文時代から、食事をするたびにこのように大自然の恵みに感謝してきた。だから、昔から、米を一粒でも食べ残すと目がつぶれるといって、子供たちに米を大切にする心を教えてきた。
食事は神であり、『いただきます』という言葉は、その神の命をいただきますという意味だったわけです。食べ残せば罰が当たって目が潰れる。そういう感覚は、常に農家の暮らしがすぐそばにあり、飢えがあり、食の大切さを心から理解していた当時の人々の感覚として、ごく自然なものでした。
TBS『クレイジージャーニー』で、北極圏に住む遊牧民”ネネツ族”の特集をしていましたが、彼らはトナカイを見つけて捕獲することに成功したら、そのすべてをいただきます。毛皮をはぎ、脳を食べ、血の一滴まで残すことはありません。そしてその食事の前は、トナカイの体を割いて中身があらわになったところに箸をおきます。彼らいわく、『まず神様に捧げるんだ』というのです。
命を食べるということは本来こういうこと。その有難みがわかっていれば、自然とよく噛んで、美味い不味いを気にせずに、生きるために栄養を得ようとするのではないでしょうか。
豊富な食べ物があればいいというわけではありません。イヌイットの人々は、肉しか食べません。『科学でわかった正しい健康法』にはこうあります。
肉しか食べないイヌイットは我々より健康である!
イヌイットに会ってみたい。数十年前からイヌイットの存在そのものが、健康業会をいら立たせてきた。北極圏の酷寒のなか、彼らはほぼ肉、魚、脂質しか摂取しないという食生活を送っている。野菜はゼロに近い。果物もゼロに近い。炭水化物もゼロに近い。1日のメニューはこんな感じ。
- 朝食 肉
- 昼食 肉
- 夕食 肉
だからこそ、現代の栄養学の世界ではイヌイットの存在が厄介な問題となっている。こんな食生活を送っているのに、イヌイットが健康だからだ。摂取するカロリーの約7割を脂質からえているにもかかわらず、複数の観察研究が、僕たちの心臓と比べて、イヌイットの心臓のほうが健康であることを示したのだ。
普通、彼らのような肉食だけの生活をしていれば間違いなく病気になります。しかしイヌイットの人々は健康です。それは彼らがネネツ族と同じように、自然の恵みである食に対し、感謝の気持ちを持っているからなのです。
その感謝の気持ちが『食と真剣に向き合う』姿勢に結び付き、このような食生活が生まれるのです。そしてもちろんそうなれば、自然と時間をかけ、よく噛んで食べることになります。彼らの口臭までは調べていませんが、記事に書いたように、彼らは薄毛とも無縁なのです。よく噛んで物を食べ、唾液が出れば飲み物はいらない。そのくらいの考え方で食事をすることが大切です。
もちろん水分補給も大事です。『水』を適切に飲むことできれいな唾液が出て、それが口臭を抑えてくれるからです。しかもお茶やコーヒー等と違って利尿作用がないので、
に陥ることがありません。この2つに陥ると、今挙げたように唾液はネバネバになり、酸素を嫌う嫌気性菌、つまり『ニオイを出す細菌』が繁殖してしまうことにより、口臭が発生してしまうのです。今では簡単に手に入りますが、
それらに含まれる利尿作用は口臭の原因となります。しかし、水にはその利尿作用がありません。そういう面からも、水というものはとても優秀な水分だと言えます。ジュースでも駄目です。
『水』が最も純粋な水分であり、サラサラ唾液の原料となるのです。ですから食事をする際にもし飲み物を飲むなら、最も口臭対策として優れているのは水だということを覚えておきましょう。
『水』と口臭の関係は?水分補給は重要な口臭対策 – Inquiry. |
口周りの筋肉の強化として併せて見るべきなのは下記の内容です。
口臭の原因の一つには、『口の筋肉が衰えている』ということが挙げられるわけです。それによって唾液の分泌量が減少し、口臭に繋がるからですね。つまりガムの記事にあるように、
キシリトールの含有率が多ければ多いほど、ガムは硬くなります。噛み応えが強くなるほど、唾液の分泌が促され、口の中のpHが酸性から中性に戻りやすくなります。
『キシリトール100%の硬いガム』を噛むということは、『口臭の原因になる口の筋肉の衰え予防』にもなるのです。このような理由から、『キシリトール100%の硬いガム』を食べることも口臭予防と対策になると言えるわけです。
早食いをすること自体は問題ありません。しかしそれを日常的に行ったり、その食べるものが『軟らか食』である場合は口周りの筋肉の衰えを懸念するべきでしょう。
イギリスの哲学者、アダム・スミスはこういい、
インディアン、クリー族の格言にこういうものがあります。
このままでは、人がまたかつてのように食に対して感謝の気持ちを覚えるようになるのは、何もかも失ってからになってしまう。このことについて真剣に考えたいですね。人は、進化とともに不幸になってしまってはいけないのです。そもそもそれは、『進化』とは言えないのです。