口臭の原因はバクテリア?…そもそもバクテリアって何?
バクテリアです。バクテリアとは細菌が複数集まった状態のことを言います。細菌は大体複数で集まっていますので、そこに細菌がいればバクテリアがいるということになります。
口臭の原因の一つは『ネバネバ唾液』を好む嫌気性菌(ニオイを出す悪玉菌)が繁殖することが原因ですが、それは言い方を変えると『ニオイを出すバクテリア』ということになります。
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口臭の原因はたくさんあります。下記の表を見てみましょう。
生理的口臭
呼称 | |
---|---|
一般的なもの | 加齢性、起床時、空腹時、緊張時、疲労時など |
ホルモンの変調などに起因するもの | 妊娠時、月経時、思春期、更年期など |
嗜好物・飲食物・薬物によるもの | ニンニク、アルコール、薬物(活性型ビタミン剤)など |
病的(器質的・身体的)口臭
呼称 | |
---|---|
歯科口腔領域の疾患 | 歯周炎、特殊な歯肉炎、口腔粘膜の炎症、舌苔、悪性腫瘍など |
耳鼻咽喉科領域の疾患 | 副鼻腔炎、咽頭・喉頭の炎症、悪性腫瘍など |
全身(内科)疾患 | 糖尿病(アセトン臭)、肝疾患(アミン臭)、腎疾患(アンモニア臭)など |
口臭の原因は一つではない!様々な種類とその対策 – Inquiry. |
ここにある『生理的口臭』のうち、『嗜好物・飲食物・薬物によるもの』以外の口臭の原因はほとんどが口の中に発生する『バクテリア』です。バクテリアというのは『細菌』のことです。細菌を英語にするとバクテリアになるだけですね。また特に複数いる細菌をそう呼びます。口の中も腸内も、基本的に細菌は一匹ではいませんから、バクテリアと言えば細菌ということになります。
このバクテリアは細菌のことですから、
に分けることができます。『善玉のバクテリア』や、『悪玉のバクテリア』等と呼ぶことになるわけですね。様々な呼び方があるということです。このバクテリアが原因の口臭は、生理的口臭に分類できます。しかし、ニンニクやニラを食べたときに出るニンニク臭等はバクテリアが原因ではなく、ニンニク等に含まれる成分のせいですからね。それぞれの飲食物や嗜好品にはニオイが出る成分が含まれていますので、詳細は下記の記事でそれぞれご確認ください。
例えば下記の記事にはこう書きました。
朝起きると誰でも口は臭いものです。それは、口の中が水分不足になっていて、唾液の量も減っていて、そのせいで細菌が繁殖しているからです。その細菌のせいでニオイが出ているんですね。その細菌の数は『大便スプーン一杯分』だと言われています。
寝起き(起床時)の口臭は誰にでもある?原因は大便スプーン一杯分の細菌! – Inquiry. |
この『細菌』というのはそもまま『バクテリア』と置き換えることができます。朝起きるとバクテリアが繁殖しているということですね。日本人(一部アジア人)だけが細菌という言い方をするわけです。では人間の口の中にいるバクテリアの数はどれくらいなのか見てみましょう。
唾液1㏄当たりの細菌の数
食後 | 5400億個 |
---|---|
歯磨き後 | 3700億個 |
歯石削除後 | 3000億個 |
殺菌剤うがい後 | 1300億個 |
寝起き時 | 1兆7000億個 |
参照『もう、口臭で悩まない!』
実にこれだけの数のバクテリアが口内にいるということですね。したがって、生理的口臭を抑えるために必要なのは、このバクテリアの繁殖を抑えることです。記事にも書いたように、口内には実に『約700種類』の菌がいます。その中には、
がいます。水分や唾液がなくなったり、交感神経が優位になるとネバネバ唾液になり、酸素を嫌う嫌気性菌(悪玉菌)が増えて、それがニオイを発生させるのです。
自律神経や環境によって口の中に起きる変化
繁殖する菌 | 分泌される唾液 | ニオイ | |
---|---|---|---|
交感神経優位 | 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 | ネバネバ唾液(粘液性唾液) | する |
副交感神経優位 | 善玉菌。好気性菌脂臭 | サラサラ唾液(漿液性唾液) | しない |
ストレスや自律神経の乱れ、そして冷えも口臭の原因だった! – Inquiry. |
加齢・病気・薬の常飲等で起きるドライマウスは口臭の原因! – Inquiry. |
したがって、確かに生理的口臭の正体はバクテリアですが、『ニオイを出さないバクテリアもいる』ということになるわけですね。
しかし冒頭の表にあったように、
このような状況では唾液の分泌量が低下し、口の中がネバネバしてきて、『ニオイを出す細菌』であるバクテリアが増殖し、口臭の原因となってしまうわけです。
これに対する対策として一番有効なのは『唾液』です。
唾液の力
唾液の中にはたくさんの成分が入っていますから、それらの成分によって様々な作用を期待できるんですね。赤ちゃんはこの唾液の持つ力を駆使して、細菌から身を守っているということなのです。
口臭と唾液の量はどう関係している?ネバネバ唾液とサラサラ唾液 – Inquiry. |
自律神経が交感神経優位になる(緊張する)だけで『ネバネバ唾液』になり、ニオイを出すバクテリアが増殖しやすくなりますから、なるべく副交感神経を優位にする(リラックスする)ことがまず意識するべきことです。
バクテリアには善いもの、悪いものがあります。そして悪いバクテリアが増えれば口臭の原因となります。では、悪いバクテリアを増やさないためにはどうすればいいでしょうか。
それから『ドライマウス』になるような原因から身を遠ざけることも大事です。詳細は下記の記事に書きましたが、要点だけ見てみましょう。
『感染性』
細菌やウイルスによる唾液腺管の膨張、疼痛、排膿が認められる。
『非感染性』
唾石(唾液腺にできる結石)や言う部などにより導管が閉塞するケースがある。
『腫瘍性』
良性腫瘍の多形性腺腫や、悪性腫瘍の専用嚢胞癌、腺房細胞がん、腺癌などがあげられ、導管や腺房に影響を与える場合がある。
実にこれだけに理由がドライマウスの原因となります。
加齢・病気・薬の常飲等で起きるドライマウスは口臭の原因! – Inquiry. |
この『薬』ですが、市販薬の8割はドライマウスを引き起こすと言われています。特に『抗コリン作用』が含まれているものがそうなのですが、多くの薬の服用によって口の渇きを感じることがあるはずです。特に飲みすぎた場合などは顕著にそれが現れます。例えば、ジュースや炭酸飲料を飲んでも口臭が出る可能性があります。それはつまりこういうことです。
砂糖を分解するのに大量の水を消費するからですね。
したがって、口臭対策として飲み物を厳選するなら、
ということになります。ですから、
このような飲み物にも利尿作用があるので、唾液の分泌量が低下するリスクがあります。『不要成分の代謝(分解)』と『利尿作用』によって水分が失われると、唾液の分泌量が低下するということですね。
更に上記の記事にも書きましたが、カフェインには覚醒作用もあります。覚醒作用があると睡眠不足に陥ります。するとそれが自律神経を乱して交感神経を優位にさせます。そうなれば先ほども言ったように、それ自体も『ネバネバ唾液』の原因となるわけです。
ですから、いくら緑茶に抗菌作用等が含まれているといっても、常に緑茶ばかり飲んでいると、カフェインの覚醒作用や利尿作用によって、
等の問題を起こし、『ネバネバ唾液』の原因となり、それが口臭を引き起こしてしまうので注意が必要です。ただ、お茶にはカフェインが含まれますが、コーヒーなどと違ってそのカフェインの作用はマイルドであり、刺激は少ないようですね。また、
は口臭対策の飲み物としてうってつけだというデータもありますので、記事を見て詳細をご確認ください。ニンニクのニオイなんかも緑茶で消えるということです。
ちなみに、麦茶であればカフェインがないので利尿作用はありません。ですから、熱中症対策などで水分補給をする際は、ウーロン茶や緑茶ではなく、麦茶か水を飲むのがいいとされています。
水分補給をするなら、やはり『水』はうってつけの水分です。水には化学物質が含まれていないので、水分のろ過装置である腎臓を素通りできるわけです。ろ過する必要がないから内臓にも何のダメージも与えず、スムーズに唾液を作り出すことができます。
水にはデトックス(解毒、便秘解消)の役割もありますから、それによって便秘が解消され、あるいは有害物質が体外に排出されることは、ニオイを含めたあらゆる問題を解決します。ちなみにこのデトックスは、『水』だけが有効で、お茶や紅茶等では十分なデトックスができません。便を促すということと『有効なデトックス』ということでは違うわけですね。
つまり水は、『口臭の原因となる有害物質の解毒』のためにも十分な量を摂ることが求められるわけですね。
『水』と口臭の関係は?水分補給は重要な口臭対策 – Inquiry. |
また、『無口になる』だけでも口内の『ニオイを出すバクテリア』は増殖します。酸素を嫌う嫌気性菌が口臭の原因ですから、睡眠中や、黙り込んでいるとき、口を閉じているときは繁殖のタイミングなわけです。吃音症や極度の人も知りでない限り、常に喋ることを意識しましょう。喋ることは『アウトプット』の場面でもあります。インプットした情報をアウトプットし、人はその情報を自分のものにしていきます。
ですから物事を覚える際、あるいは映画を観るときでもいいですが、アウトプットする(誰かに内容を話す)ことを前提としてインプットする(記憶する、鑑賞する)ことで、その記憶力は向上するという事実があります。そういう意味でも、アウトプットを使いこなしていきましょう。
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また、それは結局『口周りの筋肉を動かす』ということでもあります。先ほどのドライマウスの原因の一つに『サルコペニア』とありましたが、これは簡単に言うと『筋力の衰え』です。つまり、口周りの筋肉が衰えて、唾液の分泌量が減ってしまうのです。
これらの行動によって口周りの筋肉は鍛えられます。すると唾液の分泌量が増加し、サラサラ唾液が出るようになります。その中にもバクテリアはいますが、それは『ニオイを出さないバクテリア』ですからね。唾液はたくさん出しそして『サラサラ』がいいのです。そのために必要なのは、口周りの筋肉の強化でもあるのです。
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また、クロレッツ(ガム)を噛んだり、
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マウスウォッシュ
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によっても唾液の分泌量を促すことができます。これらの商品に多く使われるミントは、それだけでもマスキング効果(ニオイを覆い隠して誤魔化す効果)がありますが、その辛い刺激によって、唾液の分泌を促す役目も担っています。私などは、起床時は必ずマウスウォッシュを使っていますが、それで睡眠中に増殖した『ニオイを出すバクテリア』はさっぱりと洗い流せますね。
このように、『生理的口臭』であればその原因のほとんどは『ニオイを出すバクテリア』です。ポイントは、そのバクテリアを繁殖させないように注意することですね。そのための対策はこれだけあるということです。