歯周病は口臭の原因?その原因と対策は?
はい。
歯磨きをせず、プラークを放置すると歯肉の炎症が起き、歯肉炎が続くと歯周ポケットができます。歯周ポケットの中にはプラークがたまりやすく、細菌が棲みつきやすい特徴があります。その後炎症が進むと歯周炎となり、歯周ポケットから膿が出て口臭がひどくなります。
歯周病の対策としてはやはりプラークコントロールを確実に行うことです。王道の考え方は『食後に必ず歯を磨く』ことです。しかし、口腔内の問題は非常に奥が深いので、それが最善の答えということでもありません。ただ、とにかくプラークコントロールを意識することが大事なのは間違いありません。
先生
ハニワくん
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古代エジプト人にも歯周病があった
歯周病は古くは古代エジプト人のミイラにも発見されています。虫歯・歯周病は違うものですが、口臭があるのは特に歯周病の方です。口臭が本格的になるのは、歯周病が悪化してできる、『歯周ポケット』ができてからになります。そして歯垢や歯石が溜まっていると、それは虫歯・歯周病の原因となるわけです。
虫歯・歯周病の原因
虫歯 | ミュースタンス菌、プラーク、食事による脱灰 |
---|---|
歯周病 | プラーク、歯石 |
正直、虫歯と歯周病対策については上記の2つの記事を読んでいただければバッチリだと言えます。その記事では
- プラークコントロール
- 歯磨きのタイミング
についての詳細をまとめていますから、その2つを守るだけで歯周病対策はほぼ万全になると言っていいでしょう。それに加えて下記の記事をご覧ください。
これによって更に虫歯と歯周病とは無縁の生活を送れる可能性が上がります。
先生
ハニワくん
歯間ケアと入念なうがいの効果
例えば毒出しうがいであれば、
という流れがあるわけですが、これをこうするわけです。
『毒出しうがい』というのは、『入念なうがい』のことです。この『入念なうがい』を食後に行うことを習慣にすることによって、結果的に虫歯・歯周病・そして口臭を予防することに繋がるわけですね。また、歯を磨くタイミングについては、
1.起床時
歯磨き+口すすぎ
2.各食後
歯間ケア+唾液分泌法+口すすぎ
3.就寝前
歯磨き+口すすぎ
という選択肢が一応の王道として挙げられていますが、それが本当に最適かどうかはわかりません。詳しくは記事をご覧ください。ただ、ここで挙げられている、
- 歯間ケア
- 口すすぎ
の有効性は、とても高いものだと断言できるわけですね。
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先生
ハニワくん
よく噛んで食べることのメリット
また、下記の記事に兵庫県歯科医師会小児歯科医である徳永純一郎氏が伝えているチェック方法について書いていますが、それと同時に『噛む・10ヶ条=口臭を引き起こさないための必要条件』として、ポイントをまとめています。
噛む・10ヶ条=口臭を引き起こさないための必要条件
- 食事時間をたっぷりとる(ゆっくりと味わうこと)
- 食事中のお茶をやめる(流し込まない)
- 食事中のテレビはやめる(口腔生理機能が低下する)
- 食卓に一品は歯ごたえのある食べ物を(咀嚼機能を上げる=30回以上の意識的な咀嚼を心掛ける)
- 洋食を少なく和食中心に(咀嚼力の向上とバランスのある食事)
- 野菜をどんどん食べる(胃・腸・口がキレイになっていく)
- 加工食品を控える(手作り料理がよい)
- 食べ物そのものの味を味わう(うす味が良い。噛めば噛むほど味が出る)
- 入り豆やチューイングガム(シュガーレス)を噛んで訓練する(口腔生理機能の向上)
- 一粒のごはんには多くの汗が、魚や肉にもかつて生命があったことを教えて、一つ一つの食べ物に感謝の気持ちを教える(よく噛むことにつながる)
基本的にこれは、
- 噛む力
- 唾液の分泌量
についての対策ですね。先ほどの記事に、
- 『キシリトール100%の硬いガム』を噛む
- 毒出しうがい
について書きましたが、これらによってもその目的は達成できます。 また下記の記事に書いたように、『口周りの筋肉の衰え』によって『口呼吸』になりがちになります。
口呼吸になると、
- 睡眠時無呼吸症候群
- 風邪(その他病気)
- 花粉症
- 扁桃腺炎
- 歯周病
といった様々な問題を引き起こし、これらは口臭の原因ともなってしまうわけです。『日本人はなぜ臭いと言われるのか 体臭と口臭の科学 (光文社新書)』ではそのような耳鼻科的疾患での口臭は、
腐敗臭・腐肉のようなにおい
と説明しています。それも含めて同じようなニオイとして、
- 歯周病(歯肉炎、歯周炎)など口腔内の感染症
- 過剰な舌苔
- 口腔内・咽喉頭の悪性腫瘍
- 鼻や喉の感染症や炎症(鼻炎、副鼻腔炎、扁桃炎など)
が挙げられています。以下の様々な口臭の原因とニオイの種類の表の中にある、
様々な口臭の原因とニオイの種類
歯周病・虫歯 | イオウのニオイ |
---|---|
胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
肝臓病 | ネズミ臭(濡れ雑巾とニンニクが混ざったようなニオイ) |
糖尿病 | 甘い、甘酸っぱいニオイ(ケトン体) |
腎臓病 | アンモニアのニオイ |
呼吸器系疾患 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
心臓病 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
唾液の減少 | 雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイ |
『生臭い、肉の腐ったニオイ』のことですね。ですから、ものをよく噛んで食べる習慣を身につけるよう、指導する必要があります。
つまり、『和食等の甘さを控えた健康的な食事』を、『よく噛んで食べる』ことで歯に余計な物質が付着するのを防ぎ、たっぷりと唾液を出して歯の状態を『中性』に戻して『再石灰化』させて歯の修復をすることで、虫歯を予防できるのです。そして、よく噛むようになって口周りの筋肉が鍛えられれば、口呼吸からの『扁桃腺』、『歯周病』のリスクも下がり、その対策ができるわけですね。
先生
ハニワくん
古代エジプト人にも歯周病があった
歯周病=(歯肉炎・歯周炎)
記事にも書きましたが、歯周病というのは、
- 歯肉炎
- 歯周炎
の2つを総称したものを言います。
歯周病にかかりやすい年齢
歯肉炎 | 若い人 |
---|---|
歯周炎 | 35歳以上の人 |
歯周病になる流れを見てみましょう。
こと歯周病のことだけで考えると、プラーク(歯垢)を放置すると、歯周病になり、口からイオウのニオイを発するようになってしまうわけですね。
ですからここで挙げた、
- 歯磨き
- 歯間ケア
- 入念なうがい
- 口周りの筋肉の強化
というポイントを押さえることがとても重要なのです。例えば『図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法』という本がありますが、『虫歯と歯周病の予防法』についての情報は、ほぼこれらについてのことが書いてあります。これが最も重要なポイントなのです。
先生
ハニワくん
- 古代エジプト人にも歯周病があった。
- 虫歯・歯周病は違うものだが、口臭があるのは特に歯周病の方。
- 口臭が本格的になるのは、歯周病が悪化してできる、『歯周ポケット』ができてから。
- 歯間ケアと入念なうがいは大きな前始末になる。
- 口周りの筋肉が鍛えられれば、口呼吸からの『扁桃腺』、『歯周病』のリスクも下がり、その対策ができる。歯周病=(歯肉炎・歯周炎) 。
歯周病の原因とは
虫歯と歯周病は厳密には違うものですが、どちらも『歯垢(プラーク)が原因』ということでは一致していますので、対策は同じ何ですね。プラークコントロールと、口周りの筋肉の強化に焦点を当てて対策をすれば、大体の問題はクリアできるでしょう。
さらに付け加えるとしたら、『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』には『歯周病の危険因子(リスクファクター)』として、以下の5つを挙げています。
- 口腔ケアの不徹底
- 加齢
- 不健康な生活やストレス
- 食品・食習慣
- その他
口腔ケアの不徹底、加齢
まず『口腔ケアの不徹底』についてはいいですよね。プラークコントロールのことです。また『加齢』ですが、それによって、
- 唾液の分泌量の減少
- 口腔内細菌と生体の免疫力とのバランスが崩れる
という問題が発生します。こればかりは仕方がないことですね。『老化によって様々なリスクが引きあがる』と言っても、例えば人は老化現象や死を避けることはできないのです。ドライマウスについては下記の記事に詳細を書きましたので、ご確認ください。50歳以上で歯周病がまったくない健康な歯肉をもつ人は、10人に1人もいないと言われますが、同じように『皺もシミない人』だって、そうですからね。
不健康な生活やストレス
『不健康な生活やストレス』ですが、それらによって糖尿病等の病気を引き起こせば、それが原因で口臭を発するようになります。先ほどの『様々な口臭の原因とニオイの種類』を見ればわかりますね。
また上記の記事に、『交感神経が優位になると結果的に口臭が出る』と書きました。
- 交感神経が優位=緊張、不安
- 副交感神経が優位=リラックス
ですから、緊張した場面や、不安に感じるときなどに人は交感神経が優位になり、発汗等の様々な現象をもたらすのです。これと同じように、そういう場面では口臭もきつくなります。詳細は記事に書きましたが、表をまとめるとこうなります。
自律神経や環境によって口の中に起きる変化
繁殖する菌 | 分泌される唾液 | ニオイ | |
---|---|---|---|
交感神経優位 | 悪玉菌。酸素を嫌う嫌気性菌 | ネバネバ唾液(粘液性唾液) | する |
副交感神経優位 | 善玉菌。好気性菌脂臭 | サラサラ唾液(漿液性唾液) | しない |
つまり、普段は『サラサラ唾液』のおかげで口腔内はベストな状態に保たれていて、口臭も発生していないのですが、緊張したりストレスを負って交感神経が優位になると、『ネバネバ唾液』になって口臭が発生するわけですね。しかも交感神経が優位になって起こるのは『口臭』だけではないのです。
『歯周病予防と口腔ケア (ホーム・メディカ・ブックス・ビジュアル版)』にはこうあります。
睡眠不足や過労などが長く続いて、からだの免疫力が低下すると、歯周病発症のリスクがそれだけ高くなります。また、歯周病初期におこる歯肉の炎症は、白血球などが細菌と戦った結果生じる症状です。炎症があると、さまざまな炎症性物質(サイトカイン)がつくられ、これによっても歯周組織は破壊されます。炎症は憎悪し、歯肉、歯槽骨、歯根膜などの歯周組織が侵されるという悪循環に陥ります。
つまり、交感神経が優位になり、免疫力が低下すると、『歯周病』のリスクも上がるのです。ストレスを溜めるだけでも交感神経が優位になりますから、その対策も必要になりますね。
歯周病の原因とは
食品・食習慣
『食品・食習慣』ですが、砂糖などの甘味料、つまり糖分は、ストレプトコッカス・ミュースタンス菌などの細菌のエネルギー源となり、プラーク内のpHを酸性にして、歯のエナメル質を溶かします。『歯周病 (専門のお医者さんが語るQ&A)』にはこうあります。
特に軟らかくて砂糖を含む食品は歯垢(プラーク)を産生しやすく、食べっぱなしにすると必ず歯周病が起こります。歯周病はまた、高血圧症や糖尿病と同じように生活習慣病といわれています。つまり、日常の生活の中で、歯垢の句の表面への付着を防ぐことにより大半の歯周病が予防できるからです。
ですから、先ほども言ったように、『和食等の甘さを控えた健康的な食事』を、『よく噛んで食べる』ことが大事なのです。
その他
『その他』ですが、そこに挙げられるのは例えば、
- タバコ
- 飲酒
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
などが挙げられます。タバコは、ニコチンなどの成分が血管を収縮させ、歯肉の血流を悪くしたり、唾液の分泌量を減少させるため、歯周病に悪影響があると考えられています。また、飲酒が歯周病に直接影響を及ぼしませんが、飲酒後は口腔ケアを怠りがちになるため、それが歯周病の原因となることがあります。
また蓄膿症については下記の記事に詳しく書きましたので併せてご確認ください。これらによって『口呼吸』が行われると、口の中が乾燥し、唾液の量が減って、歯肉の炎症が起こりやすくなります。
また、『歯周病を自分で治す本 (ビタミン文庫)』にはこうあります。
女性は男性よりも歯周病になるリスクが高い
女性であることは、それだけで男性よりも歯周病になるリスクが高いといえます。なぜなら、歯周炎の原因菌であるグラム陰性菌は、女性ホルモンの影響を受けやすく、女性ホルモンの一つであるエストロゲンを餌にして増殖するものもあるからです。女性が思春期や更年期、閉経期に歯周病になりやすいのも、それらの時期に女性ホルモンの分泌が変動するからです。
歯周炎の原因菌であるグラム陰性菌は、女性ホルモンの一つであるエストロゲンを餌にして増殖するものもあり、女性は歯周病にもなりやすいと言えます。更に下記の記事に書いたように、
- 女性ホルモンが崩れやすい(自律神経も乱れやすい)
- 唾液の分泌量が少ない
という性質を持っていることから、女性は虫歯・歯周病のリスクが高いと言えます。ですから女性は男性以上にケアが必要になるということですね。
先生
ハニワくん
- 歯周病になる原因を確認する。
歯というものは何度も磨けばいいものでもない
ただ、『歯医者に虫歯は治せるか (創元ライブラリ)』を読むと歯周病の問題はそう簡単な問題ではないことがわかります。確かに王道で言われる虫歯や歯周病の対策には『プラークコントロール』が挙げられます。しかし、本質を見極めようとすると、
- 歯垢(プラーク)というのは、除去すればいいというわけでもない
- 歯というものは、何度も磨けばいいものでもない
- 食後のたびに歯を磨くことが、決して最善の歯磨きの姿ではない
- きれい好きな人間が、必ずしもニオイや病気と無縁なわけではない
という実態が浮かび上がってきます。
またその記事に書いた、『単調な仕事をし続けた人が歯周病が悪化した。そしてその傾向は女性よりも男性に見られた』という事実にも注目する必要があります。女性の方が罹患しやすいのに、男性の方が歯周病が悪化していたんですね。これはどういうことなのでしょうか。その記事ではそのあたりのことについてもう少し深く掘り下げているので、併せてご確認ください。
先生
ハニワくん
歯というものは何度も磨けばいいものでもない
コラーゲンの生成を促すような食生活が歯周病に効く
ただ、『図解 むし歯 歯周病の最新知識と予防法』にはこうあります。
歯肉の質を高める食事『コラーゲン』に注目
(省略)特に、歯周病の兆候が見られる人には、コラーゲンの生成を促すような食生活をおすすめします。歯周病予防には歯根膜を健康に保つことが書かせませんが、コラーゲンは歯根膜を丈夫にしてくれるのです。
として、
- すっぽん
- フカヒレ
- 手羽先
- 肉・魚
等の絵を載せています。もちろん、知識がある人はよく読めば意味が分かるのですが、多くの人は、
コラーゲンを食べればコラーゲンが増える
と思ってしまうでしょう。しかし『素肌美人になれる 正しいスキンケア事典 (基本の美容シリーズ)』にはこうあります。
食べても飲んでもコラーゲンは増えない!?
『不足するコラーゲンは、食品やドリンクから補えばいいのでは?』と考える人も多いようです。しかし口から入れたコラーゲンは、胃腸でアミノ酸に分解され、その時点でコラーゲンではなくなります。またそのアミノ酸は、体内で必要に応じて新しい皮膚や筋肉など、いろいろなものにつくり替えられるのですが、再びコラーゲンの形に戻って肌に定着するとは限りません。
更に『保湿とUVケアだけが美肌を作る』にはこうあります。
ただ、事実として、コラーゲンを食べても、それが肌のコラーゲンの材料として使われる保証はなく、化粧品として肌にコラーゲンを塗ったとしても、肌の奥には届かない。仮にコラーゲンの分子量を小さくして肌の表面から奥へと浸透させたとしても、それが肌のコラーゲンとして使われるかどうか、科学的な根拠に乏しいということをいいたいだけなのです。
つまりこういうことです。
つまりコラーゲンは直接摂取及び塗布しても、効果は得られるかどうかがわからないのです。しかし、コラーゲンを増やすためのアプローチはちゃんとあります。それについては下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
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こうしてまとめてみると、
- 歯磨き
- 歯間ケア
- 入念なうがい
- 口周りの筋肉の強化
- タバコ
- ストレス
- 蓄膿症
- 口呼吸
- 食事
このあたりの要素を最適化することで、歯周病とは無縁の生活を送ることができそうですね。歯周病は、高血圧症や糖尿病と同じように生活習慣病といわれていますので、日ごろの生活習慣がとても重要になります。
先生
ハニワくん
- 歯というものは何度も磨けばいいものでもない。
- 歯周病は意外と奥が深い。コラーゲンの生成を促すような食生活が歯周病に効く。
- コラーゲンは直接摂取及び塗布しても、効果は得られるかどうかがわからない。
- 歯周病は生活習慣病。
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