ただ、実は子供も油断はできません。下記の記事にも書きましたが、
子供に口臭がある場合はどうすればいい?
親がしてあげられることはたくさんあります。例えば、
等の食事関係の最適化もそうですし、歯磨きの方法を教えるのもそうです。また単純にその原因を突き止め、一緒になって治療と改善方法を考えることもできますね。ニオイの異常は体調異常のサインの場合も多いので、それを見て見ぬふりして取り返しのつかないことになる前に対処しましょう。
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子供にも口臭が出る可能性はあります。ただ、大人ほど深刻なものはないでしょう。そうだと断言している専門家が一人もいませんし、私自身、子供時代を経験して、あるいはたくさんの子供に出会って、そのようなニオイがする子供に出会ったことが一度もありません。まず、下記の表をご覧ください。
様々な口臭の原因とニオイの種類
歯周病・虫歯 | イオウのニオイ |
---|---|
胃腸病 | 卵の腐ったニオイ |
肝臓病 | ネズミ臭(濡れ雑巾とニンニクが混ざったようなニオイ) |
糖尿病 | 甘い、甘酸っぱいニオイ(ケトン体) |
腎臓病 | アンモニアのニオイ |
呼吸器系疾患 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
心臓病 | 生臭い、肉の腐ったニオイ |
唾液の減少 | 雑巾や布巾のような生乾きのようなニオイ |
口臭と言うのは大きく分けると、
であり、そのうち病気が原因の口臭は、やはり子供の方が罹患する可能性が低いので、元々口臭が出にくい時期だと言えます。『お口のさわやかエチケット』(三省堂)にはこうあります。
Q.中年の人になぜ口臭が多いの?
(中略)A.唾液の分泌が減ってくるからです。
(省略)また、口臭の原因としていちばん多い病気は歯周病ですが、中年になると歯周病にかかる率も高くなってきます。
要点だけ引用しましたが、まさにこういう理由で歯周病も口臭も、中年以降に発症しやすく、子供はそのリスクは低いと言えます。
ただ、実は子供も油断はできません。下記の記事にも書きましたが、
『よくわかる家庭の歯学―歯磨き、歯周病予防から矯正治療、審美治療、インプラントまで』にはこうあります。
子供はなぜ虫歯になりやすいか
同じ歯なのに、乳歯と永久歯では歯の硬さが全然違います。永久歯は乳歯に比べて5~6倍の硬さがあり、乳歯は大人の歯の弱い部分の象牙質やセメント質の硬さと同じくらいの硬さしかありません。大人の場合、軟らかい象牙質やセメント質は、エナメル質や歯茎でおおわれているので虫歯になりにくいのですが、子供の場合は、軟らかい乳歯が外界にじかにさらされてばい菌と接するので、虫歯になりやすいのです。
子供の歯である乳歯は軟らかいので、虫歯になりやすい性質があります。ですから、しっかりと再石灰化が行われる必要があります。虫歯になる流れは以下の通りです。
もう一つの流れがこうですね。
ポイントは、
です。つまり、『和食等の甘さを控えた健康的な食事』を、『よく噛んで食べる』ことで歯に余計な物質が付着するのを防ぎ、たっぷりと唾液を出して歯の状態を『中性』に戻して『再石灰化』させて歯の修復をすることで、虫歯を予防できるのです。
その記事には、兵庫県歯科医師会小児歯科医である徳永純一郎氏が伝えているチェック方法について書いています。これに該当する数が多ければ虫歯・歯周病にかかりやすく、それによって口臭が出る可能性があるわけです。
もしこれらの項目に『6以上』当てはまる場合は、高い確率で虫歯・歯周病に罹患する可能性があるので、母親はこれらのポイントに基づいて指導・助言をするといいでしょう。
そしてそれに対して本はそれを踏まえて、『噛む・10ヶ条=口臭を引き起こさないための必要条件』として、ポイントをまとめています。
噛む・10ヶ条=口臭を引き起こさないための必要条件
基本的にこれは、
についての対策ですね。下記の記事に、
について書きましたが、これらによってもその目的は達成できます。
キシリトールガムは口臭予防に効果はある?カギは『100%』の硬いガム – Inquiry. |
口周りの筋肉を鍛えて唾液の分泌を促す『毒出しうがい』が口臭対策になる! – Inquiry. |
口臭の原因の一つには、『口の筋肉が衰えている』ということが挙げられます。それによって唾液の分泌量が減少し、口臭に繋がるわけですね。つまり記事にあるように、
キシリトールの含有率が多ければ多いほど、ガムは硬くなる。噛み応えが強くなるほど、唾液の分泌が促され、口の中のpHが酸性から中性に戻りやすくなる。
『キシリトール100%の硬いガム』を噛むということは、『口臭の原因になる口の筋肉の衰え予防』にもなるのです。このような理由から、『キシリトール100%の硬いガム』を食べることは口臭予防と対策になると言えるわけです。上に挙げられている『咀嚼力の向上』というのは、こうした目的があるわけです。
いびき・口呼吸・無呼吸症候群が作り出す膿栓(臭い玉)は口臭の原因? – Inquiry. |
また上記の記事に書いたように、『口周りの筋肉の衰え』によって『口呼吸』になりがちになります。口呼吸になると、
といった様々な問題を引き起こし、口臭の原因ともなってしまうわけです。これは、子供でも関係なく罹患する可能性がある病気や症状ですので、子供であっても油断はできません。
花粉症や鼻炎(ハウスダスト)アレルギーは口臭の原因?薬と口呼吸 – Inquiry. |
『歯周病』は子供でもなります。
ティーンエイジャーの歯周病
Q.17歳の女子高生の母親です。娘が歯周病と診断されましたが、若い人でも歯周病にかかるのでしょうか。
A.若い人で、見た目には健康的できれいな歯をしていても、本人は、歯が動いたり食物が詰まることが気になっている場合があります。細菌が奥深く入り込んでいるとか、免疫機能の低下や遺伝的要因もありますので、歯科医院で診断・治療を受けるようにしてください。
侵襲性歯周炎とは
歯周病といっても病型によって違います。一般的には、歯肉炎と歯周炎を総称して歯周病と呼んでいます。歯肉炎は比較的若い人に、歯周炎は35歳以上の人に発症するというのが一般的です。
つまりこういうことですね。
歯周病にかかりやすい年齢
歯肉炎 | 若い人 |
---|---|
歯周炎 | 35歳以上の人 |
更に、『歯周病 (専門のお医者さんが語るQ&A)』にはこうあります。
子供の歯肉炎は、歯の萌出する5~6歳ごろからみられ、思春期初期(11~15歳)では、約50%の子供に認められます。これは歯並びの不正やむし歯、プラークコントロールが十分できない不規則な食生活などの要因が、プラークの付着を容易にし、その結果引き起こされた歯肉の炎症です。
また、抗てんかん薬による増殖性歯肉炎、インフルエンザなどで全身性に抵抗力が低下した状態で起こる急性壊死性潰瘍性歯肉炎、ヘルペスウイルスに感染して発症するヘルペス性歯肉炎など特殊な歯肉炎もあります。
様々な歯肉炎
種類 | 原因 |
---|---|
増殖性歯肉炎 | 抗てんかん薬 |
急性壊死性潰瘍性歯肉炎 | インフルエンザなどで全身性に抵抗力が低下した状態で起こる |
ヘルペス性歯肉炎 | ヘルペスウイルスに感染して発症する |
歯肉炎には様々な種類があります。ですから、歯肉炎の歯周病であった場合は十分若い人でもあり得るということです。ただ、歯周病になる流れを見てみましょう。
歯肉縁が続くと歯周ポケットができ、そのまま炎症が進むと歯周炎にもなりますからね。『若い人は歯周炎にはならない』というわけではないのです。ですから子供に対して口臭の対策をする場合は、先ほど挙げた『様々な口臭の原因とニオイの種類』の、
のうち、胃腸病や糖尿病といった病気に罹患するリスクはまだ低いので、それ以外の2つの要素についてアプローチするために、『和食等の甘さを控えた健康的な食事』を、『よく噛んで食べる』ことを推奨することで、口臭対策となるでしょう。
ただ、『歯周病で死ぬのはイヤだ!』にはこうあります。
自立のとき
永久歯が生えそろう12歳ごろになると、免疫力がついて歯の石灰化も十分となるため、虫歯にかかりにくくなります。ところが、18歳前後に三度目の危機が訪れます。このころになると、親元をはなれて一人で生活、あるいは親元についても親のいうことを聞かなくなるものです。生活のリズムがめちゃくちゃになり、食生活も不規則になりがちです。すると、おとなしく潜んでいた虫歯菌が活動をはじめて、虫歯になることがあります。
ここに『三度目の危機』とありますが、子供は『虫歯』になりやすいと先ほどありましたように、何度か乳歯が永久歯に生え変わるタイミングやその前に、口腔ケアを怠ると、様々な問題が起こる可能性があります。例えば、
どうせ大人の歯に生え変わるから虫歯を放置しよう
などと大人が考えて治療をしないと、最悪の場合死に至ります。本にはこうもあります。
虫歯は感染症です。したがって、虫歯の中にはかなり多くの虫歯菌が棲みついています。これらの虫歯菌は、口の中でさらにほかの歯を虫歯にしようと虎視眈々と狙っています。極端な場合、虫歯菌が脳に回り死に至らしめることがあります。
このようにして、子供だからといって歯の治療や口腔ケアを怠ってはいけないのです。そして先ほどの話ですが、『おとなしく潜んでいた虫歯菌』とありますね。このような例を考えると、『子供時代だからといって、病気や、虫歯など、もし罹患してもそう大げさな話にはならない』という考え方は、とても安易だということがわかります。
ですから先ほど『胃腸病や糖尿病といった病気に罹患するリスクはまだ低い』と言いましたが、実際にはそのような病気、あるいは生活習慣病というものは、たとえ子供時代に発症しなくても、間違った生活習慣の延長線上にはそれが待ち受けています。
先ほどの『自立』の話のように、いざ親元を離れ、管理が甘くなり、油断し、あるいは、親元にいる頃からも生活習慣が乱れるようなことがあれば、気づけば、
に罹患していて、口臭が出るとか、取り返しのつかないことになっているということもあります。ですから、あまり『子供だから』という風に見ず、子供も大人も同じように考えることが大事ですね。
また、その『潜在していたリスク』ということで言えば、『歯周病 (専門のお医者さんが語るQ&A)』にはこうあります。
Q.小学生の子供が虫歯の治療中です。子供のときに虫歯がひどいと、大人になって歯周病になりやすいでしょうか
A.唾液の正常、歯の質、虫歯を発生させる細菌の種類、食生活、口腔清掃状態などの因子が相互に作用しあって虫歯を発症させます。これらの因子は、歯周病の発症にも関係しています。
口臭の原因になる歯周病(歯槽膿漏)の原因と対策は?食事のたびに歯を磨くのは予… – Inquiry. |
上記の記事にも書いたように、虫歯・歯周病は違うものですが、口臭があるのはどちらかというと歯周病の方です。口臭が本格的になるのは、歯周病が悪化してできる、『歯周ポケット』ができてからになります。そして歯垢や歯石が溜まっていると、それは虫歯・歯周病の原因となるわけです。
虫歯・歯周病の原因
虫歯 | ミュースタンス菌、プラーク、食事による脱灰 |
---|---|
歯周病 | プラーク、歯石 |
つまり、虫歯と歯周病の原因はほとんど同じなのです。ですから、虫歯を放置すると大人になってそれが歯周病になりやすい事実も存在するのです。
同じように、『子供の歯の噛み合わせが悪い』状態を放っておくと、大人になって『歯や歯茎が悪くなる』ということがあります。本にはこうもあります。
こうした乳歯列期の不正咬合をそのままにしておくと、永久歯列になったとき、歯や歯周組織にさまざまな影響を与えます。永久歯列になって 不正咬合がある場合には、ブラッシングがしづらくなると同時に、歯ブラシの毛先が隅まで届きにくくなり、虫歯や歯周病になりやすくなります。さらに歯並びに凹凸があると、唾液による自浄作用が低下し、いっそう虫歯や歯周病になりやすくなります。
つまり、やはり『子供だから』という風に見ず、子供も大人も同じように考えることが大事ですね。むしろ子供のころからしっかりと対策をしておかないと、『歯の矯正』のように、後で窮屈な思いをしてその逸れた方向を元に戻すことになります。口臭というのはそのときに出る『逸れたサイン』の一つですね。
歯並びが悪いのは口臭と関係ある?カギは歯磨きだけでは落とせない歯間の汚れ – Inquiry. |
また女性の場合は生理等でも口臭が出る場合があります。詳細は下記の記事に書きましたので、併せてご確認ください。
生理前や生理中に口臭が強くなるって本当?性ホルモンが乱れる時期の一時的な現象 – Inquiry. |
それから最近では、長時間のスマホやゲームなども当たり前になってきました。それが結果的に口臭を生み出す可能性もあります。
スマホを長時間使用することがなぜ口臭の原因になるか – Inquiry. |
そして大人と同じように、以下のポイントをしっかりと押さえて対策をしましょう。